第百五十一話 四国と三河その二
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「そうするからな」
「わかりました、それでは」
「今より」
「一つはわしが率いる」
四つに分けた兵の一つをだというのだ。
「ひとつは左京じゃ」
「はい」
その吉良が応える。
「ひとつは弥七郎」
「わかりました」
香宗我部、他ならぬ元親の弟だ。
「最後は左近じゃ」
「では」
島だった、最後は。
「御主達ならやれるからな」
「それぞれ城を攻めている者達を攻めてですな」
「そうして」
「城を助け門徒共を収めよ」
勝ちそしてだというのだ。
「よいな」
「はい、わかりました」
「それでは」
「ではその城はじゃ」
ここえ地図を開く、他ならぬ讃岐の地図だ。
その中からそれぞれ四つの城、阿波との境の城達を指し示して彼等に言うのだ。
「この四つじゃ」
「その四つをですな」
「まずは」
「救いそれからじゃ」
「北東を登っていき」
「そうして」
「門徒共を各個に倒していく」
これが元親の考えだった。
「そうするぞ」
「畏まりました」
香宗我部が応える。
「それではその様に」
「頼むぞ」
「では」
「では讃岐に入りすぐに」
「兵を分ける」
元親の言葉は変わらない、まさに普遍だった。
「そしてだ」
「讃岐も収め」
「堺にですか」
「伊予は今は気にせずともよい」
四国の中で織田家が唯一治めていない国だ、それは何故かも元親はわかっている。
「あの国は今も国人同士で争っており讃岐や土佐には来ぬ」
「ですな、今も」
「あの国は」
「だからよい」
放っておいてもだというのだ。
「まずは何よりも本願寺じゃ」
「あの寺をどうするか」
「それがですな」
「うむ、第一じゃ」
今の織田家にとってはというのだ。
「あの国をどうするかじゃ」
「ですな、では」
「四国を収めましょうぞ」
家臣達も応えてだった、そうして。
元親は兵を四つに分けた、元親もそのうちの一手を率いて彼が救うべき城に向かった、そうしてなのだった。
元親自身は阿波との境にある城を攻めている門徒達を急襲しそのうえで蹴散らした、そうして城に入りだった。
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