第百五十一話 四国と三河その一
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第百五十一話 四国と三河
四国、讃岐と阿波でも一向宗が動いていた。彼等は鐘を鳴らし一斉に蜂起し織田家の砦や城に襲い掛かって来た、だが。
その彼等にだ、土佐から出て来た長宗我部の軍勢が向かうのだった。
まずは阿波の一向宗を抑えた、そしてだった。
讃岐に向かう、この時元親は己が率いる紫の軍勢に言うのだった。
「さて、次は讃岐じゃが」
「はい、あの国にですな」
「今から向かいますな」
「そうじゃ、そして讃岐の後はじゃ」
次はだ、何処かというのだ。元親は讃岐を抑えてからも戦の場に向かうつもりだった。その次の国はというと。
「堺は大丈夫じゃな」
「はい、あの町は健在です」
「織田家についております」
吉良と島の二人が元親に応える。
「ですからあの町の港からですな」
「勘十郎様をお助けに」
「うむ、向かう」
まさにだ、そうするというのだ。
「そうしてな」
「そして、ですな」
「そのうえで」
「だからこそじゃ」
堺から摂津にいる信広達に向かうにはだ、どうするかというのだ。
「讃岐をな」
「必ずですな」
「収めますか」
「そうじゃ、あの国の門徒達も収める」
こう言ってだ、すぐにだった。
阿波を収めた元親はすぐに讃岐にも向かった、讃岐にいる門徒達は阿波のそれよりも多かった。多くの城が攻められていた。
だが元親はだ、そのことを聞いても至って冷静だった。それで彼は己は率いている兵達にこう言うのだった。
「阿波の門徒達は全て収めた」
「その時と同じ様に」
「攻めますか」
「うむ、この一万の兵でな」
阿波を収めたその兵でだというのだ。
「まずは四つに分けるぞ」
「四つですか」
「そうされますか」
「門徒達は讃岐の北東の方にばかりおる」
それ以外の場所にいるというのだ。
「南西や伊予との境にはおらぬ」
「阿波との境にはいますが」
「それでもですな」
「うむ、伊予の方や南西にはおらぬ」
讃岐の南西の方は山ばかりだ、そこにも城や砦はあるがそれでもなのだ。
「だからよいな」
「はい、では北東にばかり」
「兵を送りますか」
「むしろ南西や伊予との境にはじゃ」
その辺り、門徒達が及んでいない場所にはというのだ。
「文を送れ、兵を出せとな」
「城や砦を守らずにですか」
「人をですか」
「若しここで讃岐の北東が危うくなれば」
「その次は、ですな」
「そうした場所に門徒達が向かいますな」
「だからじゃ」
今のうちにだというのだ。
「あの辺りからも兵を出してじゃ」
「そして、ですな」
「北東を」
「そうじゃ、収める」
ここでだ、何としてもだというのだ。
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