第七十六話 富を求めるならその六
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「それだけです」
「そう、百億ですか」
豊香がそれを見て言う。
「それなら」
「用意出来るのね」
「それじゃあ」
「はい、富はあります」
豊香は確かな言葉で言った、それは何故かというと。
「私の力ですから」
「地下の世界の女王ペルセポネー」
智子は彼女のことから言った。
「地下の富を全て持っていてしかも生み出せるから」
「はい、そうです」
「ですからお願いします」
二人も豊香に言った、そしてだった。
豊香の力も使うことになった、そしてだった。
さらにだ、聡美はこうも言った。
「後は」
「そうね、貴女の力ね」
「怪物は私が出します」
これが聡美の力だった。
「私はお姉様と同じ月の女神ですから」
「その力を使ってですね」
「そうして」
「はい、そうします」
絶対にだと話すのだった。
「つまりここは私の怪物に」
「私の富を入れますね」
「はい、そうしましょう」
そしてだと話して二人でだった、そうして。
二人で話してだ、そして。
怪物にその百億の富を入れることにした、そのことを話してであった。三人でこのことを話してそしてだった。
智子は二人の言葉も受けてそしてその話をまとめた。
「では金の剣士にはです」
「百億の富を持つ怪物を向けましょう」
「そうしましょう」
「彼がその怪物に勝てば」
その時にだというのだ、王の願いが適うというのだ。
そのことを話してだ、三人は次の一手を決めたのであった。だが。
智子は今もだ、あの二人については難しい顔で聡美と豊香に述べた。
「魔の剣士と闇の剣士はです」
「あの二人ですね」
「あの二人については」
「難しいです」
打つ手がないとだ、こう二人の女神達に言ったのである。
「今のところは」
「そうですね、権力を目的としますと」
「人はとりわけ追い求めますから」
二人は自分達の、智子もそうだが彼女達の父であるゼウスの戦いのことを思い出していた。彼は実の父であるクロノスと権力の座を争って天空の神となったのだ。
そして天空の神、一つの世界を治める権力の座に就いてからもだったのだ。
「ポセイドン叔父様、ハーデス叔父様と争い続け」
「それが今も続いています」
海の神であるポセイドン、冥界の神であり豊香の夫でもあるハーデスとも争い続けているのだ、それは今も続いているのだ。
「実の血を分けた兄弟でもですから」
「争い続けていますから」
「神であっても権力の魔力には逆らえません」
智子の言葉は今は沈痛なものだった、顔も俯いている。
「ですから」
「人も同じですから」
「だからこそですね」
「彼を戦いから降りさせることは」
「非常に難しいですね」
「権力を 望んでいるからこそ」
聡美と豊香
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