TURN123 モンゴメリーの決意その六
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「苦労してたよな」
「そしてその苦労はですね」
「いらない苦労だったんだよ」
ゴローンはこう言ってしまった、エイリスのこれまでの世界政策について。
「世界の盟主なんていらないしな」
「それにこだわり力を使うことも」
「意味がないんだよ」
「むしろそこから利権が生じ」
「貴族達だけが太るからな」
「だからですね」
「ああ、俺はそう思うんだよ」
モンゴメリーに言い切ったゴローンだった。
「一介のヲタク魔法使いの意見だよ」
「ヲタク、ですか」
「そうだよ、聞いてくれたら有り難いけれどな」
だが、だというのだ。
「少なくともエイリスはもう世界帝国であることは諦めるべきだな」
「そして貴族達を」
「何とかした方がいいな」
「うん、僕もそう思うよ」
ここでマリーがこうモンゴメリーに言った。
「正直今のエイリスはね」
「貴族達の腐敗こそがですね」
「一番問題だよ」
「陛下もエルザ様もそのことは御存知ですが」
「姉様って頑固だからね」
このことがセーラの問題点である、意志が強いがその裏返しとしてどうにも頑固なのだ。
「貴族達の腐敗を何とかしたいけれど」
「エイリスが世界帝国であることが」
「そのことは絶対だと思っておられるのよ」
「私もそう思います」
ネルソンも言って来た。
「エイリスは世界帝国であるよりも」
「欧州の一国であるべきか」
「太平洋は太平洋です」
そしてアラビアはアラビア、アフリカはアフリカだというのだ。
「彼等のことは彼等に任せるべきです」
「そうあるべきか」
「植民地は貴族達を太らせるだけです」
「それよりも独立した彼等との交易がか」
「エイリスを富ませます」
その効果もあるというのだ。
「それも正しくです」
「そうだな、だが」
「まだお考えはですね」
「決まっていない」
ネルソン達の様にエイリスの為にあえて枢軸と戦うかどうかは、というのだ。それはまだだというのである。
「それはな」
「では、です」
ネルソンはモンゴメリーのその言葉を聞いてこう言った。
「今度はインドカレーに行きますか」
「あの国にか」
「はい、エイリス最大の植民地だった」
女王陛下の宝石箱とまで言われ実質的にエイリスの植民地統治及び世界政策の柱であったこの国にだというのだ。
「あの国に行かれますか」
「そうだな、それではな」
「では」
こうして一行は次はインドカレーに向かうことにした、そして。
ゴローンはそのことを決めた彼等に顔を向けた、ゲームをそのままにして。
「あそこに行くのならやっぱりな」
「何かありますか」
「カレー食うといいさ」
インドカレーの象徴と言っていいその料理をだというのだ。
「あれをな」
「カレーはよく食べていま
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