第49話 ライバル気取りもほどほどに
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近辞め癖がついちまったみたいだな。やばいなぁ、このままだとマジでマダオになっちまうよ」
【そうだ、お前はもうマダオになってしまったんだ。このまま生きててもどうせ禄な事にならない。そうだ死のう。いっそ死んで楽になってしまおう】
あり? さっきまでの聖人君子とは裏腹にドス黒い声が聞こえてきたぞ?
即座に首を左右に激しく振り、頭に根付いた考えを払拭した。
「いやいやいや、おかしい! おかしいって! 確かに最近良い事なかったけどだからって死ぬのはおかしいから! こんな俺でも何時かは逆転して素晴らしい勝ち組ルートに返り咲ける筈だからさぁ!」
「何寝言じみた事言ってんだよ。お前は一生マダオルート独占組なんだよ。いい加減現実に目を向けて死ねやこのまるで駄目なおっさん、略してマダオ」
「いやだ、死にたくない! 俺はまだ死にたくないんだ! まだハツともやり直してないしやりたい事だって一杯あるのにまだ死にたくない……ってか、人の後ろで何不気味な事囁いてんだてめぇはぁ!」
どうやら後ろの存在に気付いていたようだ。即座に振り返り背後に居た神楽や新八に怒号を張り上げた。
其処に居たのは全く萌える格好には見えないメイド姿の神楽に長谷川と同じパート姿の新八が居た。どうやら二人して橋田屋に潜入したのだろう。
「何しに来たんだよお前等? まだ俺の仕事の邪魔しに来たのか?」
「長谷川さんこそまた再就職したんですか? 前の仕事はどうしたんですか?」
「その前の仕事を台無しにしたのはお前等だろ? ってか、何でお宅らが此処に来てんのさぁ? 最近此処物騒なんだし、早々に引き上げた方が良いんじゃないの?」
「そうしたいんですけどね、僕達も仕事で来てるんですよ」
新八が何時になく真剣そうな顔で言った。その目線を見た長谷川も何時になくシリアスモードな顔をしだした。何かやばい事にでも巻き込まれたのかも知れない。
そう思っていたのだろう。
「おいおい、今度は一体どんな仕事を引き受けたんだぁ?」
「赤ん坊のお母さんを助ける仕事ですよ」
意味深な事を言い終えると、新八と神楽は歩き始めた。まるで吸い込まれるかの様に廊下をひたすらに歩いて行く。
「お、おい待てよお前等!」
その列に何故か長谷川も加わってしまった。どうやら生来野次馬根性が根付いてるのだろう。悲しい運命と言う奴であった。
つづく
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