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駄目親父としっかり娘の珍道中
第49話 ライバル気取りもほどほどに
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少ない道筋を銀時と赤子は歩いていた。何時の間にか持ち出していたのか、歩行器を使いおぼつかない足取りながらも赤子は歩いている。その赤子の歩幅に会わせるかの様に銀時も歩いていた。
 ビチャビチャと銀時が地に足をつける度に不気味な音が辺りに響く。見れば、銀時の体はずぶ濡れであった。なのはを追い駆けて江戸の町へ繰り出したは良かった物の、宛などまるでなく適当にぶらついていた銀時は、疲れたので近くの駄菓子屋で一息つこうと立ち寄った。
 その際其処で公務をほっぽりだしてバリバリさぼりを決め込んでいる沖田を見つけたので、彼に赤子を預けようとしたのだが、全く取り入る素振りを見せず、それどころか完全に銀時の赤子と決め付けた挙句公務と言いながらも再び惰眠を貪り始めだした。その光景に銀時は切れて、後先を考える事もせずに彼の寝ていたベンチごと近くを流れる小川へと投げ捨ててしまった。
 仕方なく赤子を連れて捜索を再開しようとしたのだが、その際に運悪く今度はお妙、そして猿飛あやめと鉢合わせしてしまう。
 お妙は赤子の存在に気付いていかったが、あやめはいち早く察知し、銀時とお妙が出来ていると誤解し勝手に敗北宣言をして逃げ去る……かと、思いきや突如不意打ち+宣戦布告をしてくる有様。
 余りに唐突なその振る舞いにお妙が銀時に説得を持ち掛けようとして振り返った際に、面倒毎から逃げようとする銀時と、その銀時に跨るようにしてくっついている赤子を発見。その赤子を見たお妙もまた後先考える事なく銀時を小川へと投げ捨ててしまった。
 その際に赤子を濡れないように庇った銀時にはファインプレーの称号を与えたい。
 そんな称号はないのだが。
 そんな訳で銀時はずぶ濡れになってしまったのだ。
「全く、今日はついてねぇぜ」
 濡れて重みを増した髪の毛を掻き毟りながら銀時は愚痴った。髪を揺らす度に水しぶきが辺りに飛び散る。水の重さが相まって更に歩く疲れが増している感覚がまた銀時の面倒臭さを煽り立てていた。
 朝から新八、神楽は言う事を聞かないし、変な赤子を見つけて隠し子だ何だといちゃもんつけられて、挙句の果てには何故か嫉妬して飛び出して行ったなのはを捜索してずぶ濡れになってしまう。本当に今日はついてない。嫌、寧ろついている日なのかも知れない。
 疫病神的な何かが。それならば今日のこの厄日も説明が行く。等としょうもない自問自答を繰り返しながら宛のない歩みを続けていた。
 ふと、銀時は足を止めた。首筋がピリピリするのを感じる。辺りに気配を感じるのだ。背後、嫌正面。既に四方を取り囲まれている。
 何人だ? 5人? 10人? 嫌、もっと居る。正確な数は分からないがかなりの人数がこちらを取り囲んでいるのが感じ取れた。
 その存在はすぐさま姿を現した。付近の建物の間にある狭い路地からぞろぞろと気配の主
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