暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
小さな相棒
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のこる百人たらずが、レンとユウキ、キリトもそこに属したわけだが──
《ソロプレイヤー》と呼ばれた者達だ。
グループに属さず、単独での行動が自己の強化、ひいては生き残りにもっとも有効であると判断した利己主義者達。
SAOというゲームは、《魔法》、つまり《必中の遠隔攻撃》が存在しないゆえに単身で複数のモンスターの相手をしやすいという特徴がある。
しっかりした技術があれば、ソロプレイのほうが経験値効率ではパーティープレイを上回る。
もちろんリスクはある。例えば、パーティープレイでなら誰かに回復してもらえばいい《麻痺》を喰らっただけでも、単独なら死の危険に直結する。実際、初期のソロプレイヤーの死亡率は、あらゆるプレイヤーカテゴリの中でも最大のものだった。
スクリーンモニタを通して2Dグラフィックの敵を攻撃するのとは違い、SAOでの戦闘はその圧倒的なリアリティゆえに原始的な恐怖を呼び起こす。
どう見ても本物としか思えないモンスターが、凶悪な牙を剥き出して自分を殺そうと襲いかかってくるのだ。
ベータの時ですら戦闘でパニックを起こす者がいたらしいのに、現実の死が待っているとなればなおさらだ。恐慌に陥ったプレイヤーは、ソードスキルを出すことも逃げることすらも忘れ、HPをあっけなく散らしてこの世界から永遠に退場することとなった。
自殺、モンスター戦における敗北。凄まじい速さで増えていく、無慈悲なラインを刻まれた名前達。
だが、人間というのは慣れるものだ。
あの第一層攻略戦から、わずか十日後に第二層が突破された頃から、死者の数は目に見えて減りはじめた。生き残るための様々な情報が行き渡り、きちんと経験値を蓄積してレベルを上げていけばモンスターはそれほど恐ろしい存在ではないという認識が生まれた。
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し、現実世界に戻れるかもしれない。そう考えるプレイヤーの数は、少しずつ、だが確実に増えていった。
最上層は遥かに遠かったが、かすかな希望を原動力にプレイヤー達は動きはじめ───世界は音を立てて回りだした。
それから約半年。
残るフロアの数は、七十五。
緩やかなクラシックが脳を刺激した。
レンは寝ぼけた脳を覚醒させ、寝ていたベッドから起き上がった。
それでもまだ半分寝ている目をこすりながら、部屋の窓を全開にする。
安っぽい宿屋だが、窓から見える景色は最高の一言だった。
森の緑と湖の綺麗な青が、見事なコントラストを醸し出している。
その時、部屋の隅から音もなく一匹の黒猫が現れた。その黒猫をみてレンは大きく溜め息をついて言った。
「………まだついて来てたんだね。おまえ」
その言葉が分かるかのように、
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