暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
立ち上がれ!
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「うおおおおおっ!」
「らあああああっ!」

火竜と雷竜、2つの雄叫びが響く。
同じ紋章を刻む2人は別の目的の為、敵対する。

「オレの前から消えろ、ナツーーーー!」
「お前はオレが止める!」

お互いが己の右拳に炎と雷を纏い、お互いに向かって駆けていく。

「ギルドは死んでも渡さねぇ!」

ナツは叫び、右拳を強く握りしめる。

「オレ達の、帰る場所だから!」

その目には強い意志が宿り、その拳はその意志を表すかのように強く握られる。
ラクサスの目にもナツとは違う意志が宿され――――――

「だああああああっ!」

炎を纏った拳と雷を纏った拳。
2つの拳は交差し、向かい――――――

「ナツ!」

レビィが叫んだ。
ナツの拳はラクサスに届かず、ラクサスの拳はナツへと届き、殴り飛ばされたのだ。

「ぐっ!」

床に倒れたナツはすぐさま体制を変え、ラクサスを鋭く睨む。
その息は上がっている。
ラクサスの息も上がっていた。

「だらぁっ!」

勢い良く地を蹴り、再びナツはラクサスへと向かっていく。

「この・・・死にぞこないがぁっ!」

向かってきたナツに拳を決め、続けざまに地面に叩き伏せる。
その威力によって床の一部にヒビが入った。

「テメェ如きがオレに勝てる訳・・・」

そこまで言いかけ、ラクサスは言葉を止めた。

「う・・・ぐ・・・ふ・・・」

ガッと床を掴み、ナツは体を小刻みに震わせながら起きあがる。

「ナツ・・・」
「ドラグニル・・・」

そのナツの姿にレビィは両手で口を覆って目に涙を溜め、クロスは痛みに顔を歪めながら呟き、フリードはゴクリと喉を鳴らした。

「ギルドはお前のモンじゃねぇ・・・よ〜く考えろ、ラクサス・・・」

切れたのか唇から血を流し、息を切らしながらナツは呟く。
その目には闘志が存在し、その炎は消えるどころか揺れる事さえしなかった。

「黙れェ!」

怒鳴ると共にラクサスの蹴りがナツの腹部に決まる。

「ザコがオレに説教たァ100年早ェよ!アァ?」

耳を塞ぎたくなるような音と同時に繰り出されるラクサスの蹴り。
そしてラクサスは雷を纏った足でナツを蹴り飛ばした。
何の抵抗もなく、ナツは吹き飛ばされていく。
だが―――――――

「!」

――――――ナツはまだ立ち上がる。

「まだ・・・立つのか・・・」

体中に傷を負い、体力がもう限界に近く、相手が自分よりかなりの格上。
そんな最悪の状況でも、ナツは倒れない。
ヨロヨロと、立ち上がる事すら限界だろうに、ナツは立つ。

「もう止めて・・・ティア、ナツを止めて・・・ナツが死んじゃう・・・」

目に涙を溜め、隣に立
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ