立ち上がれ!
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ただ一言言い放つ。
その言葉に―――――ナツの目に怒りと鋭さが戻った。
「・・・いける」
ティアが呟く。
ナツが体を起こすと同時に全身から炎が溢れ、床がめきめきと音を立てる。
「お・・・おのれ・・・」
妖精の法律に雷竜方天戟。
2つの強力な魔法を放った事で、ラクサスは魔力が切れたのか体をがくがくと震わせていた。
否――――それは恐怖かもしれない。
目の前に立ち上がろうとしているナツに対しての、何度倒れても起きあがるバカに対しての。
「火竜の・・・」
その目には怒りと闘志、その顔には怒りと痛みを映し、ナツは駆けだす。
負けられない理由が、戦う理由が、ナツを突き動かしていた。
「おのれェェェェっ!」
ラクサスが叫んだ、瞬間―――――――
「鉄拳!」
「がはっ!」
炎を纏ったナツの右拳がラクサスへと炸裂する。
しかし、ナツの攻撃はこれで終わりではない。
これこそが始まりである。
「鉤爪!」
続けて炎を纏った左足の蹴り。
「翼撃!」
炎を纏った両腕の薙ぎ払い。
「劍角!」
全身に炎を纏い、頭突き。
「砕牙!」
炎を纏った爪を横薙ぎに振るう。
そして、構えた。
「その魔法、竜の鱗を砕き」
「竜の肝を潰し・・・」
「竜の魂を狩りとる・・・」
「滅竜奥義・・・」
レビィ、クロス、シュラン、フリードが呟く。
そして―――――紅蓮は放たれた。
「紅蓮爆炎刃!」
ナツの螺旋状に振るった両腕から、炎の刃が放たれる。
炎が消えると同時に、ラクサスの体は何度か地面を転がった。
その光景にレビィとフリード、クロスとシュランは目を見開き、ガジルは笑みを浮かべ、ティアはふっと口元を緩ませる。
(ラクサスが・・・)
そして転がったラクサスは、気を失い、動かなかった。
(負けた)
それが指すのは、ラクサスの敗北。
それと同時に――――ナツの勝利を示していた。
「オオオオオ!」
そして、声が響く。
戦いに決着がついたのを現すかのように、火竜の雄叫びが響く。
「オオオオオオオオオオオオオッ!」
激闘が終わったカルディア大聖堂。
そこに、ナツの雄叫びが響き渡ったのだった。
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