立ち上がれ!
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つティアにレビィは頼み込む。
が、彼女は知っていた。
今自分がすべき行動は、ナツを止める事じゃないと。
「・・・無駄よ」
「ティア?」
「今のアイツには『戦う理由』がある・・・今私がアイツを止めても、ナツは止まらない・・・あのバカは、誰にも止められないの。今は、ね」
一切の迷いもなく言い切るティアの目には、はっきりと映っていた。
彼女がラクサスを天敵として知るように、何かと突っかかってきたナツの事を、彼女は誰よりも知っていたのだ。
(バカよ・・・昔からアイツは大バカよ。だけど・・・そのバカに救われたのは誰だったかしらね)
2年前の『あの日』の事を思い出し、ティアは視線を落とす。
誰の前でも泣かなかった少女に涙を流させたのは、あのバカに他ならないのだ。
ただ目に涙を溜めるだけだった閃光を救ったのは、あの大バカなのだから。
「ガキがぁ〜・・・」
尚も立ち上がるナツをラクサスは怒りの表情で見つめる。
「跡形もなく消してやるァ!」
叫んだ瞬間、翳し掲げたラクサスの両手に雷の矛が現れる。
それを見たフリードの表情が変わった。
「よせ!ラクサス!今のナツにそんな魔法を使ったら・・・」
フリードの叫びは、空しくも空を回った。
その言葉は怒り狂った雷竜には届かない。
「雷竜方天戟!」
巨大な雷の矛は、真っ直ぐにナツへと向かっていく。
「うう・・・」
「殺す気かぁっ!」
フリードが叫んだ。
「くそォ・・・くそおおっ!」
目の前にまで迫ってくる雷の矛。
が、蓄積されたダメージの大きさはかなりのもので、ナツはその場にガクンと膝をつく。
「イヤーーーーーーーーー!」
「ドラグニルゥゥゥゥゥゥッ!」
レビィとクロスの悲痛な叫びが響く。
そして雷の矛はナツに直撃―――――――――
――――――せず、目の前でカクンと軌道を変えた。
「!」
突然、何の前触れもなく行く先を変えた雷の矛を目で追う。
その先にいたのは――――――――
「うおおおおっ!」
左腕を鉄へと変えた、ガジルだった。
「があっ!」
その凄まじい雷の威力に吹き飛ばされる。
自分も大きなダメージを受けているにも拘らず、ガジルはナツを助けたのだ。
「ガジル・・・」
「ガジル様!」
「鉄・・・まさか、自ら避雷針に・・・」
「身を挺して、レッドフォックスはドラグニルを・・・」
その行動にレビィは呟き、シュランは慌てたように叫び、フリードとクロスは目を見開いた。
「ガジル」
煙と共に倒れていくガジルにナツが声を掛ける。
「行け」
全身を襲う痛みを堪えるような表情、顔を少し歪めてガジルは
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