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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十三話
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た。拳と剣が奏でるは、肉を裂き、骨を砕く鈍い音。それでも二人は倒れない。好戦的な笑みを浮かべながらも戦い続ける。

「不死身はお互い様ってわけか!?」
「そういうことらしいな!」

 誰も邪魔できない、重量級同士がぶつかり合う超高速戦闘。火花が散り、血肉が飛び、大地が割れ、空が哭く。フレディは腹部を割かれ、ビスカイトは左胸に風穴が開いており、どちらも血まみれ。それでも狂ったように笑みを浮かべ、平然と戦い続ける彼らはまさに戦闘狂。

「クククッ……これが戦よ、闘争よ!フレディとやら、久しぶりにここまで愉しい戦にしてくれたこと、心から感謝いたす!
「それはお互い様って奴だビスカイトォ!」

 もはや生物としての常識など通じない、今の彼らにあるのはただ一つ、どちらが生き残るか。生存本能と闘争本能が、互いを殺せとうるさく喚く。

「クカカカッ、お前も本当に死なねぇな。あの時と同じこと聞いてやろうか?」
「このような時間に言葉など無粋。そうは思わんかね?」

 それを聞いたフレディは、天に響く高笑いをあげた。ビスカイトも釣られて声を漏らす。

「そうか、それもそうだな!死なない相手なら安心だァ、久しぶりに遠慮なく全力で行かせてもらうぜェ!」
「かかってこい、我らが敵たるベルカ最古の騎士!今は亡きプロトン王よ、天より私の全力をご照覧あれ!」
「そうか、前から引っかかってはいたがプロトン所属ってことはあの頃か……亡国の騎士が相手とあっちゃぁ、失礼があっちゃいけねぇよなぁ!」

 肉に食い込み、骨が軋むほどの力で拳を握り締めるフレディ。その痛みすら心地よいのか、麻痺して何も感じていないのか、そのまま拳を地面に叩きつけると、まるで鯨が飛び上がった時の水しぶきのように砂が大きく舞い上がり、二人の外へと降りかかる。

「古代ベルカの技と力を、今に引き継いでいる騎士が相手ならば何の不足もない。我も、久々に全力で参ろう!あの時は調査任務の最中だったが故小手調べ程度だったが、今はそんなことを気にする必用もないからな!」

 こちらもまた剣が軋むほどの力で握り締め、横薙ぎにひと振り。それだけで先ほど直人が放った技以上の衝撃波と砂の波がフレディを襲う。互いに亡くした国を背負った騎士と騎士、懸けるのは意地と誇り、昂ぶるのは本能。もはや思考など意味を持たない。あるのはただ力を振るい、目の前の相手に叩きつけるだけ。

「改めて名乗り上げといたそう。古代王国プロトン王の親衛隊隊長並びに教導官、ビスカイト・ローウェル元中将!」
「古代ベルカ王朝騎士隊元隊長、時空管理局一等空佐並びに特務捜査隊捜査官、フレディ=アイン=クロイツ!」

 そして、互いに声を揃えて叫んだ。

『推して参る!』
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