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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十二話
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いてくれよ!』
『もちろんです!』
しかし、それでもとにかくこの場は逃げ切ることに全力を注ぐ。戦うこと第一と思われる彼だが、それはテンションが上がっている時や限定的なシチュエーションである時に限られており、その場を選ぶ判断力は高い。しかし、魔力弾の雨は次から次へと襲い来る。
『やっぱりただじゃぁ逃がしてくれんか……』
『そりゃそうでしょう。さて、どうします?』
『バリアの残りゲージは?』
『残量38%。このまま逃げ切るには少々不安な数値ですが……』
バリアはただ展開するだけで魔力を食い、また攻撃を受ければさらなる魔力を消費してしまうという曲者。その回復はバリアを解除するまで不可能であり、また形態を別のものに変化している時の方が回復が早いという面倒な仕様。しばらくしてから、なんでこんなところまで再現したのかと膝まづいている竜二の姿があったとかなかったとか。
『アサルトのブースターの残量は?』
『84%まで回復させていますが……』
『なら十分。アサルトに変形、すぐにブースター全開で振り切るで!』
『了解!』
しかし、どうやら先ほどの男に随分深いところまで突っ込まされていたようで、なかなか元の位置へと戻れない。
「なんやねんこいつら……こっちは色々キツいってェのに!」
『戦います?』
『んなわけないやろ無理やて。相手の数見ろや』
『ですよねぇ……』
砂漠であるために遮蔽物がほとんどなく、襲撃者の数は見えているだけで30人は下らないだろう。流石にその人数を相手にドンパチは避けたいところ。しかし、向こうはそんなことお構いなしに集中豪雨のごとき数で魔力弾を降らせる。
「こっわ!マジこっわ!こんなところで死にとうないぞワシャァ!」
『一人称変わってますけど!?』
『そんなけ怖いねん!』
『真に恐るべきはやはり人間っ……!』
『ざわ……ざわ……ってやっとる場合か!』
念話で悪ふざけをしつつ、ブースターを小刻みに噴射して攻撃をかわしていく。ただ、焦っているのは間違いないらしい。そうでもしないと正気を失いかねないほどの焦燥感にかられているということだろう。
「遅い遅い!」
『とか言いつつ魔力弾には追いつかれてませんか?』
『うるさい黙れ、んなこたぁ言われんでもわかってんねん!……って!?』
すると、いきなり竜二が倒れ込んだ。とうとうブースターに使う魔力が底をついたらしい。メインブースターに充填していた魔力も現在0%のようで、完全に万事休す。
『こうなったらソードマスターで……』
『かわせますか、あの雨を?』
『クッソ、なんでこんなところまで再現したんや俺は!』
『今更言っても仕方ない気がしますけど……』
『死ぬかも知れねぇって時に呑気やなぁテメェは!』
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