第8話 「決戦と真実」
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が分かる。
『そして、死者蘇生の技術……』
『記憶転写型特殊クローン技術、プロジェクト・フェイト』
『そうよ、そのとおり。でも失ったものの代わりにはならなかった。作り物の命は、所詮作り物……アリシアはもっと優しく笑ってくれたわ』
テスタロッサに憎悪にも似た視線を向けている。
自分勝手な言動に怒りを感じるが、その一方で彼女に対して同情したり、哀れんでいる自分がいることに気がついた。
きっと彼女は心優しい母親だった。娘に対する愛が深かったから、それに取り付かれて禁断の道に走ったのだろう。テスタロッサに憎悪するのはアリシアへの愛が深過ぎるために、アリシアと違う部分を許容できないからだろう。
『わがままも言ったけど、私の言うことをよく聞いてくれた。アリシアは……いつでも私に優しかった。……フェイト、あなたは私の娘じゃない。ただの失敗作。だからもういらないわ。どこへなりとも消えなさい!』
その言葉に俯いていたテスタロッサの身体が震えた。彼女の中で何かが崩れていっているような気がしたのは、きっと俺だけではないはずだ。
『フェイト、良いことを教えてあげるわ。あなたを作り出してからずっとね……私はあなたが大嫌いだったのよ』
「――ぁ!?」
テスタロッサから思わず漏れた声は、まるで心が壊れた音のように聞こえた。彼女の心を表すように、彼女の手から落下したデバイスも一部砕けてしまった。
心に傷を負った少女の身体からは力が抜け、その場にふらつきながらしゃがみこんでしまう。隣にいた高町とユーノがすぐさま支えた。
事態はこれだけでは終わらない。Aランクにもなる魔力反応が多数出現し、プレシアがジュエルシードを発動させた。目的は忘却の都と呼ばれるアルハザートに行き、そこにある秘術でアリシアを蘇らせることらしい。
「……プレシア・テスタロッサ。あんたは間違ってるよ」
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