第8話 「決戦と真実」
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、水しぶきが生じる。しかし、高町は必死なようでそれらに構うことなく少女を助けに向かった。
事態が変化する中、エイミィは取り乱すことなく攻撃を行った空間座標を調べていた。きっとこれまでに様々な光景を見てきたのだろう。管理局が時に残酷と思えるような判断を下すのは、何かを切り捨てなければ守れないこともある、という思いからだろう。
短い時間ではあるが、クロノ達が悪い人間でないことは分かる。顔には出さないが、高町と同じような思いを抱いたりしているのだろう。
――良心の呵責に耐えながら行わなければならないこともある仕事か……。
「魔力発射地点特定。空間座標……確認!」
転送の準備がすぐさま行われ、突撃部隊が順次転送されていく。クロノも場合によっては動かなければならない。それにテスタロッサを捕獲したらしく、疲労しているので可能性は低いがもしもの場合は俺が取り押さえてほしい、とブリッジの方へ行くように言われた。
指示に従ってブリッジに移動すると、そこには高町にユーノ。それに拘束された状態のテスタロッサとアルフの姿があった。全員の目はモニターの方に集中している。
試験管を彷彿させるケースの中に金髪の少女が入っている。その姿は、今から数歳幼いテスタロッサだと言えるほど、彼女に酷似している。
『私のアリシアに触らないで!』
管理局員が近づこうとした瞬間、プレシア・テスタロッサが現れて管理局員を投げ飛ばした。そして、残りの局員達を雷の魔法で一瞬にして全滅させた。
テスタロッサは、「アリ……シア」と困惑したような声を上げた。自分と同じ姿の人間が、目の前にいるのだから無理もない。
プレシアはアリシアの入ったケースに寄り添い、9つのジュエルシードでは……と独り言を呟く。
『終わりにするわ……この子を亡くしてからの時間も……この子の身代わりの人形を娘扱いするのも』
「――っ!?」
『聞いていて? あなたのことよ、フェイト』
プレシアは現実を突きつけた。その現実に理解が追いついているのは、事前に情報を知っていた者達だけ。高町達はもちろん、テスタロッサ本人も理解が追いついてはいない。
『せっかくアリシアの記憶をあげたのに、そっくりなのは見た目だけ。役立たずでちっとも使えない私のお人形』
『……最初の事故のときにね、プレシアは実の娘《アリシア・テスタロッサ》を亡くしているの。安全管理不慮で起きた魔力炉の暴走事故。アリシアはそれに巻き込まれて……。その後プレシアが行っていた研究は、使い魔を超えた人造生命の生成……』
普段と違って元気のないエイミィの声が、それが真実であると物語っている。
この時点で理解が追いついている者は、この場にいるテスタロッサがアリシアの記憶を転写されて生み出されたクローンだということ
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