第8話 「決戦と真実」
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えた気がする。
それを証明するかのように、テスタロッサの足元に魔法陣が展開。彼女の周囲に膨大な量のスフィアが生成されていく。高町は移動しようとしたが、彼女の両手はバインドで固定されていた。すれ違うときにバインドを設置したのだろう。
『…………』
逃げられないと分かった高町の顔は怯えや恐怖に変わることはなく、むしろ「受け切ってみせる!」と言わんばかりの顔に変わった。
『ファランクス……打ち砕けぇぇッ!』
魔力弾の雨が高町へと向かっていく。爆音と煙が止むことなく発生する。時折魔力弾が周辺に飛んでいくことから、高町が防御魔法を展開していることと堕とされていないことが分かる。
あらかた魔力弾を撃ち終わったのか、テスタロッサは周囲のスフィアをひとつにまとめ始める。球体だったスフィアは、集合していく中で巨大な槍に姿を変えた。
『スパーク……エンド』
放たれた雷槍は、高町が固定されていた場所に直進して行った。着弾と同時に周囲の海を吹き飛ばし、迸る雷が建設物を破壊。生じた煙によって、高町の姿は確認できない。
威力を見て分かるとおり強力な魔法だったのだろう。使用したテスタロッサは肩で息をしている。しかし、油断はしていないようで息を整えながら煙が晴れるのを待っている。
『……行けるよレイジングハート』
煙の中から現れた高町の顔は、未だに強い意志を感じさせるものだった。バリアジャケットが多少破れたり、焦げたりしている。だがあれだけの魔力弾の雨を受けてのダメージとしては、極めて微々たるものだ。
デバイスを砲撃形態に変化させる高町の姿を見たテスタロッサの顔には、一瞬だが恐怖のような感情が表れた。それを掻き消すかのように声を上げ、攻撃に移ろうとしたテスタロッサ。しかし、腕と足をバインドされたことで不可能だった。
先ほどとは逆の展開だ。だがバリアジャケットの強度や一撃の威力は違う。高町の一撃をまともにもらえば、一発で戦闘不能になってもおかしくない。
『ディバイィィン……バスター!』
『……くっ』
放たれた桃色の魔力を防御魔法で受け止めるテスタロッサ。凄まじい音で聞き取れないが、自分を鼓舞するように何か呟いている。彼女に伝わっている衝撃を物語るように彼女の顔はひどく歪み、バリアジャケットは破れ、それは海面へと落ちて行った。
『……ふぅ……っ!?』
ふとテスタロッサは、自分の周囲で起きている現象に気が付いた。戦闘空間に残留していた魔力が、空へと昇って行っているのだ。それにつられて視線を上げた彼女の目には、星のように輝いている桃色の光が映ったことだろう。
『使い切れなくてばら撒いちゃった魔力を、もう一度自分のところに集める……』
『収束……砲撃……』
テスタロッサが呆気に取
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