第一部
湖の畔で会いました
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ていく。
剣技を連発する少年と共にモンスターを片付けた後、2人を連れて部屋を出る。
転移結晶を取り出し、とりあえず22層へ。
コードが働く街の中なら、今の2人がここにいても危険なことは起こらない……でも、関わった訳だし、一応まだいるかな。
「……くそ」
「うっ、みん、な、ぐす」
うん。思いたくないけど、このまま放置していおいたら何かしでかしてしまうかも知れないし。
アイテム欄からポーションを実体化(流石にもう落としたりはしない)させて、口から流し込む。
視界に表示されているHPバーを見ると、ゆっくり右に向かっている。
やっぱり守りながらって言うのは難しい……何度も攻撃が掠っちゃった。
もう少しで完全に回復するという所で、少年が口を開いた。
「オレの所為で……」
「キリト……うぁ」
少年の名はキリトと言うらしく、少女は少年に力なく抱きついた。
その背中に腕を回し、互いの体を密着させる少年と少女。
これなら大丈夫だね。
というか、わたし邪魔者でしかないじゃん。
そんな訳で、気付かれない様にそぉ〜……っと、その場を後にする。
ま、なんとかするでしょ、あの2人なら。
姿が見えなくなった所で、フレンドリストからリリアを選択。
銀の髪と蒼い瞳の、広場で声を掛けてくれた彼女だ。
今は、ソロの剣士としてその名を轟かせている。
久しぶりに会いたいなぁって思ったけど、都合って物があるし、やっぱり止めておいた。
よし、前線に戻ろう。
さぁ〜て、一気に飛んで〜……デスゲームが始まって2年が経過しましたー!
…………いや、別におめでたいことでもないんだけどね〜……。
とりあえず、大人しく釣りを楽しむことにしよう。
「きょうっはなっにっがつっれるっかな〜。ふふ〜んのふ〜――うあっはい!?」
油断し切っている所で竿が90度とまでは行かないけど、気持ち的にそれ位行ったかと思うくらい強い力に引っ張られた。
変な声でちゃったよ……良かった、周りに誰も居なくて……って……。
「安心! してる! 場合じゃ〜〜〜〜〜ないよおおぉおおおお!! 引き摺り込まれる! 引き摺り込まれて得たいの知れない何かに食べられる! そんな死に方はいやあああああぁああどっせい!!」
な〜んかわたし、この2年で結構逞しくなった気がするな〜……現実の体は衰える一方なのに不思議。まぁ、仮想現実だから間違ってもないとは思うけどね? 鏡を落としたって言っても、全く弄ってないこのアバターは現実のわたしと変わりない訳だし…………それはそうとして、何この、竜? 洒落にならない大きさの生物がじっとわたしを見てるんだけど。そう思いたくないけど、明らかに目が合っちゃうんだもん、絶対わたしのこと見てるよこの子。え?
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