暗黒の時代
第2話
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と立てて不慣れな手付きでOKボタンをタップした。
「よし、これでパーティーが組めた」
「おー・・・なんかアレク君の上に緑の棒みたいのが見えますね」
「それがHP。ヒットポイントバーで、これが無くなるとキャラは戦闘不能になる」
「えっえっ・・・それってプレイヤーが死んじゃうって事ですか!?」
手をわなわなと震わせ、慌てるアビーの様子が可笑しくて、少年はついクスっと笑い「あの小説じゃないんだから、そうはならないよ」と続けた。
「安心しました。でも、以外ですね。あの小説読んだ事があるなんて」
「男が女性向けの小説読んでも自由だろ?」
「いやー・・・厳つそうな人だから、硬派な作品ばかり読んでいるものかと」
「それは偏見だな」
もっとも、中身は硬派な男に憧れつつ、女性向けのコミックスや小説が大好物な人間な訳だが。
「でも、注意して欲しいのは、蘇生手段が無い場合リスポーン・・・えーと、復活に5分近くかかる事と、所持品を一部失う事だな」
「装備とか、大切な物も無くしちゃう可能性があるって事です?」
「そうだな」
アビーはそれを聞くと、項垂れて「それは・・・とても嫌な事ですね」と呟いた。
そんな様子を見たアレクシスはアビーの肩に手を置き
「大丈夫。一番大事な物は決してロストしないから」
と言い、自らの厚い胸板をドンと叩いた。
「ハート、ですか」
少年はうんうんと何度も頷いてみせた。
「ぷっ・・・あ、あはは・・・っ」
アビーは地に膝を突きそうな勢いで薄い腹を抱えて笑い出した。
「あれ、結構真面目に言ったつもりだったんだけど」
「あはは・・・クサイですよ、アレク君。でも、そういうの嫌いじゃないです」
少年はばつが悪そうにポリポリと頬を掻いた。
「色々不安でしたけど、この先なんとかなりそうな気がしてきました。改めて宜しくお願いします」
「こちらこそ、宜しく」
再び結んだ手は固く、かたく。その意思はパートナーとして迎い入れた証だった。
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