暗黒の時代
第2話
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な鮮やかな金で、ブルーの瞳は未だに困惑の色を浮かべている。全体的なシルエットはとてもスマートで、研ぎ澄まされたものを感じるが、鼻が掛かったとろんとした声色が全てを台無しにさせている感じがある。それは置いておいて―その女性はかなりの美人だった。
「・・・第一印象、最悪だ」
アレクシスは起こしかけていた上半身を再び仮想空間の大地へと預けた。もう少しまともな出会いをしていればお近づきになれる機会もあったであろう。が、これでは単なる痛い自爆野朗でしかない。だが、何時までも日向ぼっこをしてる訳にもいかないので、腕と腹筋を使って上半身を跳ね起こして女性の手を掴む。テスト期間中は剣のグリップばかりを触っていたゴツゴツとした手が柔らかくて優しい感触に包まれる。
「ほ・・・っと」
それに似つかわしくないくらいの筋力で力強く引き起こされる。
「すまん。少し急いでたものでな」
アレクシスは演技がかかった口調で謝罪をする。
「いえいえ。それよりも大丈夫ですか?怪我とかしてませんか?」
「いや、転んだぐらいでダメージは受けないだろう・・・と、もしかして初心者?」
「そうですよ?あれ、今日がスタートだから皆そうなんじゃ・・・?」
「いや、ベータテストというものがあってだな・・・時間が勿体無いから歩きながら喋らないか」
「そうなんですね。私はアビーといいます、宜しくお願いします」
丁寧に手を前で組んで、ぺこんと頭を垂れるアビー。
「ぼ・・・俺はアレクシス。アレクでいい」
長年の癖のせいか僕、と言い掛けて慌てて言い直すアレクシス。
「まずはあのNPCのところまで行こう」
「NPC?」
「そこからか・・・ノンプレイヤーキャラクター。要するに、プレイヤーが操作しないキャラクターの事だ」
「なるほど、ですよ?」
「で、頭上にビックリマークが見えるだろ?これがクエスト受注NPCといって、クエストを受ける事ができる。クエストにはメインクエストのその他のサブクエストがあって、これは金色に光ってるからメインクエストだな。『ダークエイジ』のストーリー進行に関わる重要なものだ・・・が、無視しても構わない」
「というのは、なぜです?」
「知ってるかもしれないが、ハウジング・・・自宅の建設までは少ない資源の奪い合いになる。特に使い道の多い木材は不足になりがちだな。ここから西のエリアのホワイトウッドにある共同樹林にも限りがあるから、まずはそこを抑えたい」
「ふむふむ・・・って、なんか始まっちゃいましたよ?」
アレクシスが高説を垂れていると、彼女は勝手に話しかけてしまったのか、老人のNPCの前で棒立ちしていた。他の進行中のプレイヤーも多数居り、同じようにその周辺に棒立ちしていた。
「・・・スキップしても構
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