鬼面仏心
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突如突きつけられたのは、マカロフの危篤。
ナツは体の小刻みな震えを止められず、クロスはその青い目を最大限に見開いた。
「ラクサスゥ!」
レビィの悲痛な叫びが大聖堂に響き渡る。
それを聞いたラクサスは――――――――――
「丁度いいじゃねぇか。これでこの俺がマスターになれる可能性が再び浮上した訳だ」
笑みを浮かべた。
レビィの目から涙が流れ、ティアが悔しそうな表情で目を逸らす。
「ヤロウ・・・」
「なんて事・・・」
「何が・・・一体何がアイツをあそこまで変えた・・・!?」
ガジルが唸り、シュランが呆然と呟く。
クロスは祖父の危篤にも笑みを浮かべるラクサスを睨みつけるように見つめた。
「ふははははっ!消えろ妖精の尻尾!」
大聖堂の床が割れ、重力に逆らって天へと昇っていく。
「オレが一から築き上げる!誰にも負けない!皆が恐れ戦く、最強のギルドをなァァ!」
その叫びは絶望だった。
祖父の死を丁度いいと言うなど、誰が予想しただろう。
「そんな・・・」
「・・・!」
両手で顔を覆ったレビィががくっと座り込み、ティアは顔を逸らしたままぎゅっと拳を握りしめた。
「お前は・・・何で、そんなに・・・」
うっすらと目に涙を浮かべたナツが怒りの表情で呟き――――――――
「妖精の法律、発動!」
その両手が、合わせられた。
刹那、眩い光が怒る雷竜を中心に放たれる。
その眩しさにレビィ、ガジル、シュラン、クロスは目を閉じ。
ティアは何かを言い放つように小さく口を動かし。
ナツの目が強く見開かれた。
聖なる光は大聖堂を溢れ、マグノリアの街を包み込む。
その光はエルザにまで届き、エルザは目を見開いた。
聖なる光が消え、マグノリアの街は本来の姿を光の中から見せる。
カルディア大聖堂の中央付近、両手を合わせるラクサスは息を切らした。
「オレは・・・ジジィを超えた・・・」
口角を吊り上げ、呟く。
そして煙が晴れ―――――――そこには衝撃的な光景が広がっていた。
「ゲホッ、ゲホッ・・・」
「ゴホッ、ゴホッ・・・」
「!」
先ほどと同じように倒れた状態で咳き込むナツとガジル。
「な、何がどうなった・・・?何故俺は・・・くっ」
「無理に動かない方がよろしいかと・・・コホッ
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