第十三話 聖剣ですか過去話ですか
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あなたが一時期内部で噂になっていた『魔女』になったもと『聖女』さん?悪魔や堕天使をも癒す能力を持っていたらしいわね?追放され、どこかに流れたと聞いていたけれど、悪魔になっているとは思わなかったわ」
「・・・あ、あの・・・私は・・・」
「大丈夫よ。ここで見たことは上には伝えないから安心して。『聖女』アーシアの周囲にいた方々に今のあなたの状況を話したら、ショックを受けるでしょうからね」
複雑な表情を浮かべるアーシア。
「しかし、悪魔か。『聖女』と呼ばれていた者。堕ちるところまで堕ちるものだな。まだ我らの神を信じているのか?」
「ゼノヴィア。悪魔になった彼女が主を信仰しているはずはないでしょう?」
「いや、その子から信仰の匂いーー香りがする。抽象的な言い方かもしれないが、私はそういうのに敏感でね。背信行為をする輩でも罪の意識を感じながら、信仰心を忘れない者がいる。それと同じものがその子から伝わってくるんだよ」
「そうなの?アーシアさんは悪魔になったその身でも主を信じているのかしら?」
「・・・捨てきれないだけです。ずっと、信じてきたのですから・・・」
それを聞いたゼノヴィアは、布に巻かれた聖剣を突きだす。
「そうか。それならば、今すぐ私達に斬られるといい。今なら神の名の下に断罪しよう。罪深くとも、我らの神ならば救いの手を差し伸べてくださるはずだ」
その救いの手は、既にないんだよ。あったらこんな風に悪魔になることもなかったんだよ。
俺は一誠と共にアーシアを庇うように前に立つ。
「触れるな。アーシアに近づいたら、俺が許さない。あんた、アーシアを『魔女』だと言ったな?」
「そうだよ。少なくとも今の彼女は『魔女』と呼ばれるだけの存在ではあると思うが?」
「ふざけるなっ!救いを求めていた彼女を誰一人助けなかったんだろう!?アーシアの優しさを理解できない連中なんか、皆ただの馬鹿野郎だ!友達になってくれる奴もいないなんて、そんなの間違っている!」
「『聖女』に友人が必要だと思うか?大切なのは分け隔てない慈悲と慈愛だ。他者に友情と愛情を求めたとき、『聖女』は終わる。彼女は神からの愛だけがあれば生きていけたはずなんだ。最初からアーシア・アルジェントに『聖女』の資格はなかったのだろう」
「勝手にアーシアを『聖女』にして、少しでも求めていた者と違ったから、見限るのかしら?随分と身勝手なことね」
「そうだ!アーシアの苦しみを誰もわからなかった癖によ!何が神だ!その神様はアーシアが窮地だったときに何もしてくれなかったじゃねえか!」
「神は愛してくれていた。何も起こらなかったとすれば、彼女の信仰が足りなかったか、もしくは偽りだっただけだよ」
久し振りだな。ここまで腸煮えくり返っ
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