第二章
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は選手に対してあくまで熱い。確かに鉄拳制裁も振るう。しかしだ。
そこには愛情があった。無闇な暴力は振るわなかった。絶対に。
彼の拳は確かに硬い。だがそれ以上に。
「熱い拳やな、親父の拳は」
西本を見た。その顔と拳を見て呟いたのだ。
「鉄みたいに硬くて炎みたいに熱いわ」
その拳をだ。彼も何度も受けてきたのだ。
「ナシの尻には親父の靴跡がついてる」
梨田昌孝、このチームの正捕手だ。彼もいつも西本に怒られていた。
「わしも殴られたわ、よお」
そのだ。自分より二十センチ以上も大きな仲根にだ。西本はどう殴ったかというと。
「飛び上がってきて殴られたな、そこまでして」
西本は中根を殴ったのだ。彼を叱る為に。
そしてその拳が硬く熱かったのだ。何よりも。
そこにあったのは愛情だった。その芽が出ていない彼に対する。西本は期待外れだの何だの言われている仲根もだ。熱心に教えていたのだ。
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