暁 〜小説投稿サイト〜
最後の花向け
第二章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
は選手に対してあくまで熱い。確かに鉄拳制裁も振るう。しかしだ。
 そこには愛情があった。無闇な暴力は振るわなかった。絶対に。
 彼の拳は確かに硬い。だがそれ以上に。
「熱い拳やな、親父の拳は」
 西本を見た。その顔と拳を見て呟いたのだ。
「鉄みたいに硬くて炎みたいに熱いわ」
 その拳をだ。彼も何度も受けてきたのだ。
「ナシの尻には親父の靴跡がついてる」
 梨田昌孝、このチームの正捕手だ。彼もいつも西本に怒られていた。
「わしも殴られたわ、よお」
 そのだ。自分より二十センチ以上も大きな仲根にだ。西本はどう殴ったかというと。
「飛び上がってきて殴られたな、そこまでして」
 西本は中根を殴ったのだ。彼を叱る為に。
 そしてその拳が硬く熱かったのだ。何よりも。
 そこにあったのは愛情だった。その芽が出ていない彼に対する。西本は期待外れだの何だの言われている仲根もだ。熱心に教えていたのだ。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ