第五十二話 文化祭のはじまりその十三
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「妙に」
「肩章とか帽子が大きくて」
「あと色が悪くて」
「生地の質も悪くてね」
「自衛隊の制服と比べたら」
自衛隊は一応軍隊ではないので制服になる、軍隊が着るから軍服なのだ。
「滅茶苦茶酷いわよね」
「女性兵士はミニスカートでね」
「それこそアニメに出て来るみたいなね」
アニメの軍服は女性キャラならば有り得ない位の短いスカートになることが多い、しかし実際は膝までのスカートかズボンだ。軍服の露出は低いのだ。
「あれであの行進」
「確かにインパクトあるわね」
無意味なまでにだ、それでなのだ。
雪女の娘は琴乃にだ、こう言うのだった。
「しかも特撮ものの悪役みたいな独裁ぶりに悪行、飢餓に核兵器に瀬戸際外交にね」
「インパクトの塊ね」
「悪名は無名に勝るのよ」
あの国の為にある様な言葉だ。
「あの初代将軍様の銅像も」
「あの巨大な」
「そう、喜び組もあるじゃない」
「何かあらゆるものが揃ってるわね」
一つや二つではないのだ、おそらく石ノ森章太郎先生ですらここまでのインパクトのある存在は描けなかったであろう。
「世の中インパクト第一なのね」
「軽音楽でもそうでしょ」
「ステージ衣装に凝らないと」
それこそなのだ、バンドにしても。
「目立てないから」
「音楽自体もよね」
「そういうことなのね」
「あの国のあの変な軍服着たら目立つでしょ」
「着ようと思わないけれどね」
しかし目立つことは事実だった。
「それでもね」
「そう、だからね」
「本当に目立ってこそってことね」
「あんたも軽音楽部ならこのことを念頭に置いてね」
そのうえでだとだ、話は何時の間にか琴乃の部活動の話になっていた。雪女の娘は結構世話焼きらしい。
「頑張りなさいよ」
「ステージ衣装もなのね」
「インパクト、歌舞伎とか」
「歌舞伎って」
「あれも目立つでしょ」
「ええ、歌舞伎も確かにね」
目立つことは否定出来なかった。
「助六とか暫とか」
「あんたのバンド五人だからね」
「五人だから?」
「白波五人男なんてどうなのよ」
「あれ全部男じゃない」
女ではない、だからだと返す女だった。
「ちょっとね」
「無理なのね」
「助六にしても暫にしてもね」
どちらもだというのだ。
「男役だとね」
「駄目なのね」
「私達女の子だから」
「男装は?男装の麗人ね」
雪女の娘はこれも話に出した。日本の漫画やアニメ、特撮では非常によく出て来るものの一つである。無論その逆も。
「それはどうなの?」
「何かそれって」
「いいと思うでしょ」
「オスカルとか?」
琴乃は伝説的ヒロインの名前を出した、尚このヒロインの家は実在しているらしい。
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