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真剣で武神の姉に恋しなさい!
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「じゃあ瑠奈、そろそろ帰り支度してきなさい」

「うん!」

 千李の指示に瑠奈は大きく頷くと極楽院の中に入っていった。その様子を見つめながら千李は隣にやってきた銀の頭を撫でてやる。銀はそれを気持ちよさそうに目を細める。それを見ながら千李は銀に告げた。

「瑠奈の面倒見てくれてありがとね、銀。さて、じゃあそろそろ休みなさい」

 千李が言うと、銀はそれにわかった。というように吠える様な仕草をすると千李の腕から彼女の中に入っていった。

「ん、お疲れさん」

 つぶやいた後、千李も瑠奈に続いて極楽院の中に入り帰り支度を始めた。

 およそ30分後、千李と瑠奈は極楽院の玄関に出て三大に別れを告げた。

「じゃあ三大ばあちゃん。また来るわ」

「バイバーイ」

「あいよ、またおいでねー」

 三大のその声を聞きながら千李は瑠奈を背負うと、民家の屋根を蹴りながら川神へと帰っていった。





 川神に戻った千李は瑠奈を降ろし、ともに川神院へ向かった。途中商店街のあたりを歩いていると、

「よう、千李」

「この声は……でたプーさん」

 千李が言いながら振り向くと、釈迦堂がなにか面白そうに立っていた。

「その呼び方はやめろって言ってんだろうが」

「プーさんこんばんはー」

「……そのガキはもう俺のことはプーさんで覚えてんのかよ」

「だって実際プーさんですし」

 瑠奈の屈託のない声に釈迦堂は大きく肩を落としながらげんなりとする。その様子を不思議そうに見つめる瑠奈だが、釈迦堂はすぐさま立ち直ると、

「まぁいい……もうプーさんだろうが何だろうが好きに呼べ。そんなことよりよぉ、お前あのじーさんに勝ったんだってな」

「え? 今更ですか? 随分と情報遅いですねプー」

「テメェが川神にいなかったから話す機会がなかっただけだろうが!! あと一応『さん』をつけろ!! なんか余計さげすまれてる気がする!!」

「チッ……わかりましたよ。で? ジジイを倒したことが何ですか?」

 釈迦堂の抗議に舌打ちをしながら千李は釈迦堂に聞き返す。

「あぁ、んでな。俺とも勝負してみねぇか?」

「えー、面倒くさいから嫌です。釈迦堂さんは板垣の面倒見てあげててくださいよ。つーか、勝負するならジジイの許可取らないとダメでしょ」

「まっそれもそうだわな。とりあえず勢いで言ってみたけどやっぱダメだよなぁ」

「話はそれだけであれば、帰りますけどいいですか?」

「おう、悪かったな引き止めちまってよ。まぁ……なんだ、よくがんばったじゃねぇか。おめでとさんだ」

 最後に釈迦堂はそれだけ言うと、踵を返しそそくさと路地裏に消えていった。彼の後姿を見送りながら千李
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