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クラディールに憑依しました
ミニイベントが始まりました
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でしょ?」
「うん。ありがとうリズ。ほら、サチもシリカちゃんも行くよー?」
「え? 私はゆっくり休んで居たいかなって…………」
「駄目駄目、サチも一緒だよー」
「ええーっ!?」


 浴室にサチがズルズルと引き摺られて行く。


「シリカも一緒に行こう?」
「…………はい」


 浴室に入ってメニューの中から全装備解除をクリック、すると今度は全下着解除に変化するので、続けてクリック。
 先に入ったアスナとサチは洗いっこをしている。


「ほら、シリカ、髪を解いて」


 シリカはメニューから操作して髪を下ろす。あたしもメニューから髪飾りを解除する。


「あたし達はバスタブに浸かろうか」


 先にシリカがバスタブに入って、それにあたしも続く。
 バスタブに満たされたお湯が足を軽く圧迫し、擬似的な水圧を感じさせる。
 やはり、現実世界のお風呂と比べるとまだまだ水の再現は難しいようだ。

 それでも、まだ第一層に居た時よりも水の再現が良くなっている様な気がしないでもない。
 あたしがこの世界に慣れてきたのか、それとも――――あたしは現実を忘れそうになっているのか…………。
 たぶん、両方なのかもしれない…………早く現実に帰りたい。こんな偽物だらけの世界…………早く終わっちゃえば良いのに。


 気付けば何時の間にかシリカはメニューからピナの羽を取り出して眺めていた。
 『ピナの心』が『ピナの形見』に変われば、二度とピナが復活する事は無い。
 そのタイムリミットも後数時間も無い筈。
 あたしは――――その瞬間が訪れた時、シリカに何て言えば良いんだろう。


【クラディールからメッセージが届きました】


 ――――来たッ!?
 シリカもメニューからメッセージを読み始めてる、あたしも急いでメッセージを開く。

 
【思い出の丘は確保した、近くにシリカが居るなら宿に戻って待機しろ、直で戻る】


 ――――やったッ!? これでピナの復活が可能になるのッ!?


「シリカっ!! やった、やったわよ!!」
「――――はい!」


 思わずシリカの手を取って強く握ってしまう。
 これでいつもの日常が帰ってくる、何もかも元通りになるんだ。


「……リズ? どうしたの? 何の話?」
「あれ? アスナにはメッセージ来てないの?」
「あ、今来たみたい――――」


 アスナとサチの方にもメッセージが届いたのか、メニューを開いてチェックを始める。


「あたし、直に準備します」


 バスタブからシリカが立ち上がる。


「流石に急ぎ過ぎじゃない? あいつが戻ってくるまで、もう少し浸かってても良いんじゃないの?」
「そうだよー
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