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逃がせッ!!」
ドアの近くに居た筈だ、応えてくれッ!
「取り巻きは任せロ、お前はリズを助けて離脱するんダ」
「――――はいッ!」
攻略組と取り巻きの乱戦の中で、アルゴはシリカの分まで取り巻きのタゲを集め、シリカはボスの前に姿を現した。
「てえぇぇいッ!!」
シリカのソードスキルがボスの攻撃を相殺していく、危なげだが、リズと違ってしっかりと対処できている。
「リズさん、今の内に!」
「ごめん、シリカ」
出口に向かってリズが走り出す――――――ボスが少し足踏みをした!?
よく観察すれば、ボスが足の向きを反転させている。
「シリカっ! 次の攻撃は避けろッ!! 吹き飛ばしが来るぞッ!!」
「――――――えッ!? きゃあああああ!?」
シリカがボスの攻撃を相殺しようとソードスキルを交わした瞬間、
システムが吹き飛ばしを判定し、ワイヤーアクションが発動してシリカは吹き飛ばされ壁に叩き付けられた。
直ぐにシリカのHPバーを確認するが、思ったより減っていない、ソードスキルで相殺した分はダメージを受けずに済んだ様だ。
「シリカっ!?」
「立ち止まるな、転倒が発動しただけだッ!」
シリカの安否を確認しようとしてリズが立ち止まり、ドアまで後数歩と言う所で――――――ボスに追い付かれた。
「キリトはどこだッ!!」
「すまん、此処にいる、流石に無理だ!!」
意外と近くで声がした。見れば俺とアスナの傍で取り巻きを狩っていた。
――――くそッ!! 何故ボスはリズばかりを狙う!?
これだけ攻略組が居るのに、HPがリズより減っている奴だってかなり居る。
あと考えられるとしたら――――――やるしかないか。
………………
…………
……
ついに、あたしのHPバーがイエローに突入した。
死。死があたしの目の前にチラつく。やだ、死にたくない――――死にたくないよ。
何でこんな事になっちゃったんだろう? 何であたし、行けるって思っちゃったんだろう?
あたしはアスナみたいな攻略組じゃないのに、マスターメイサーって言っても、ただの鍛冶屋なのに、何で…………。
ボスの攻撃に合わせてソードスキルで相殺する。
もうボスの攻撃パターンは全部覚えた、全部覚えたけど――――誰も手伝ってくれない。
あたしのHPバーがレッドに変わる。やだ、やだよぉ。
泣いちゃ駄目なのに、視界が悪くなって、相殺し切れなかったボスの攻撃が、またHPを削っていく。
「………………もう、駄目ね」
次の攻撃で、あたしの人生終わる。
ドアを前にして、あと一歩、あと半歩だけ後ろ
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