入院しました
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胸から込上げる大量の血を吐いた。
成金の手には硝煙を上げる銃……フィールドを張った上での物理攻撃、理に適ってるな、大抵の魔導師はコレで即死だ。
「お子様には退場願おうか、此処からは大人の時間だ」
「貴方ッ!! 何て事をッ!! ……デバイスが起動しない!?」
「アンチマギリングフィールドと言えばご存知でしょう? 魔力の結合を阻害するフィールドです、デバイスの起動どころか魔力を練る事すらできませんよ」
そう、フィールド内でのデバイス起動は難しい……だが、既に起動してあるデバイスなら話は別だ。
「……やってくれたなぁ、この糞成金がッ!!」
腹に穴の開いた身体を無理やり魔力で強化して立ち上がる。
「馬鹿なッ!? 何故生きてる!? クソっ!!」
銃の閃光と炸裂音が何度も響き渡るが俺にダメージは無い。
緑色の魔力光で組み上げたシールドが全てを防いでいた。
「シールドだと!? 何故フィールド内で魔法が発動している!? 馬鹿な!? そんな馬鹿な事ある訳が……」
「カートリッジロード」
『デビルテイル』の予備機、緑色の手甲が十二発のカートリッジを吐き出す。
「フィールドカウンター、ドライブ」
手甲が巨大な蜘蛛に変形して、足を大きく広げ、成金を蹴り飛ばした、そして俺とシャッハの上でテントの様に跨った。
「この結界の中ならデバイスの起動も魔力も練れる、回復魔法もオートで発動するから死ぬ事はない……出血が酷いや、後はよろしく」
「はい、後は任せてくださいッ!」
シャッハのデバイスが起動したのを確認して、俺は意識を手放した。
目を覚ますと一人の男が俺の顔を覗き込んでいた。
……この匂いとベッド、また入院生活か。
「おはようございます、『ユーノ先生』」
「……ロッサか、大丈夫なのか?」
「……大丈夫、とは言い難いのですが、ユーノ先生が大変な時に落ち込んでも居られないので」
「……そっか、アレからどうなった?」
「ジュエルシードは全て回収しましたよ、現地協力者も監禁されてましたが無事救出しました」
ロッサの猟犬ならジュエルシードの発掘も監禁された人間の捜索も簡単だな、そして顔も見た事の無い現地協力者、乙。
「シャッハは?」
「無事ですよ、協会の仕事は暫く休ませました、ユーノ先生が起きるまで傍に居る、と聞かなくて」
「……まったく、自分の時間ぐらい自分の好きに使えば良いだろうに」
「……あまり女性の扱いが過ぎると、後ろから刺されますよ?」
「……その時は受け入れるさ、気付いてやれなくてゴメンってな」
「刺される前に何とかして下さいよ」
「無茶言うな、気付かない
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