トリプル ドラゴン
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」
「ぐあああああああっ!」
そのブレスは1人で放ったもの。
が、その威力は先ほどのナツとガジル、2人のブレスと同等、もしくはそれ以上の力を持っていた。
「っ・・・くあっ!」
「!セルピエンテ!」
その衝撃は距離のある柱の陰にいたクロスとシュランにも及んだ。
吹き飛ばされそうなシュランをクロスが受け止める形で助け、何とかその場に踏み止まる。
「っ――――――!」
「クロス様!」
「俺はいい・・・ドラグニルとレッドフォックスは!?」
体中を襲う痛みに顔を歪めるクロスをシュランは心配そうに見つめるが、クロスはその後ろに見えるナツとガジルに目を向けた。
「ドラグニル!」
「ガジル様っ!」
慌ててクロスとシュランが柱の陰から顔を出すと、ブレスの通った床は砕け、その周りの床にも亀裂が入っていた。
そしてその砕けた床の上に、2頭の竜は倒れている。
「あ・・・うあ・・・」
「くうう・・・」
苦しそうに呻く2人の体を時折細く小さい雷が走る。
「まだ、生きてんのかよ」
床に倒れ呻く2人に対し、吐き捨てるように言うラクサス。
「うう・・・」
「か、体が・・・麻痺して・・・」
何とか立ち上がろうとするナツとガジル。
が、先ほどのブレスによって体が痺れ、動けない。
「いい加減くたばれよ」
ラクサスが言い放つ。
「お前らもエルザもミストガンも、あの口の悪ィ女王様も、ジジィもギルドの奴等もマグノリアの住人も・・・」
言葉を紡ぐ。
ラクサスの体が怒りを溜めこんでいるかのように震え―――――――――
「全て消え去れェェッ!」
感情全てが爆発したかのように、ラクサスが叫んだ。
その瞬間、ラクサスから凄まじい量の魔力が溢れ出す。
その魔力は両手へと集中していく。
「な、何だ・・・このバカげた魔力は・・・」
膨大で強大。
凄まじいという言葉が何よりも似合うであろう魔力に、ガジルの体が自然とがくがく震える。
「怖い・・・あの方は・・・恐ろしい・・・っ!」
ぺたんと座り込み震えるシュランの目にはうっすらと涙さえ浮かんでいた。
「この感じ・・・じっちゃんの・・・」
「ありえん・・・まさかこれは・・・マスターの・・・」
ナツとクロスは、ラクサスが放とうとしている魔法に覚えがあった。
否、正確にはガジルとシュランも知っている。
術者が敵と認識したもの全てが標的。
温かく、優しい、全てを包む聖なる光。
今や伝説に数えられる、マスターマカロフの超絶審判魔法。
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