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予告ホームラン
第二章
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第二章

「遠慮なく貰ってくれたらいいよ」
「嘘みたいだ、こんなことって」
「だから嘘じゃないんだよ」
 ルースはまた笑って彼に話した。
「僕は今こうして君の前にいるんだよ」
「そうですよね、本当に」
「それで君は」
 ルースはここで子供に対して尋ねた。
「どうしてここにいるのかな」
「足が悪いんです」
 男の子はそのことを尋ねられると俯いて述べた。
「足が」
「足が悪いのかい」
「はい」
 その俯いた顔で述べるのだった。
「それで今は」
「そうだったのか。それで入院するのかい」
「それで今度手術します」
 男の子の顔は俯いたままだった。それでもその声で言うのだった。
「今度」
「そうか、君も頑張るんだね」
 ルースは彼のその言葉を聞いて言った。
「君も」
「はい」
 答えはする。しかし元気はなかった。
「そうです」
「頑張ってくれ。いいね」
 ルースはにこりと明るい笑顔を見せて彼に告げた。そのうえで病院を後にしようとする。しかしここで医者の一人に呼び止められたのであった。
「あの」
「どうかしたのかい?」
「あの子のことですけれど」
 病院の廊下で呼び止められた。そしてそこで話をするのであった。
「宜しいでしょうか」
「何かあるのかい」
 医者の暗い顔からすぐにそれを察した。
「何かな、それじゃあ」
「あの子は今ですね。怖がっているのです」
 医者はこう話してきたのだった。
「手術を受けるのを」
「そうだったのかい」
「はい、手術を受ければあの子は歩けるようになります」
 このことを話すのである。
「ですがあの子は手術を受けるのを怖がっていて。それでああして」
「そうだったのか。それで入院しているのか」
「はい、そうなのです」
 医者の言葉は沈痛なものであった。
「それで」
「・・・・・・そうか」
 ルースはその話を聞いてそれまで明るかった顔を沈痛なものにさせた。そうしてその顔で自宅に戻りその日はずっと考え込んでいた。そうして次の日だった。
 また男の子の見舞いに来た。そして彼に言うのだった。
「次の試合でホームランを打ってみせるよ」
 こう言ったのである。
「君の為にね」
「僕の為にですか!?」
「そうだよ、君の為にね」
 彼は言った。
「打つよ、ホームランを」
「僕の為にホームランを」
「僕は頑張る」
 ルースの声がここで強いものになった。
「絶対にね。だから君も」
「僕も」
「頑張ってくれ。いいね」
「・・・・・・僕もなんですね」
 男の子はそれを聞いたその時だ。まずは黙った。
 そしてそれから。静かに言うのだった。
「頑張るんですか」
「うん、僕はそうして欲しい」
 ルースは男の子の顔を見ていた。その戸惑いを
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