3章
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口を開いた。
「君は隊の人間を呼べ。これは軍内部の“反乱”だ」
一瞬だった。
握られていた身体は一瞬ですり抜け、遮蔽物の方へと走り抜ける。
『何をしている! くそっ、撃て! 撃ち殺せ!』
銃弾がエミヤシロウに向けて放たれるがそれは一切掠ることもなく奴を遮蔽物まで走らせてしまう。
兵が周辺を包囲していく。
…私は何がしたいのだろう。
エミヤシロウは隊の者を呼べと言った。確かにこれは反乱… 反乱なんだろうか。
上官の言うことは気に入らないのは確かだが、言っていることは間違いでもない。
私も軍人だ。上官の命令には従わねばならない。先ほどのように私が隊の者に命令だと言えばエミヤシロウは… 倒せたのだろうか。
認めたくはないが奴の実力は一級品だろう。
教官を組み手で倒したのも頷ける。私では運よく掠る程度が限界だろう。教官と同レベルであるのならISを使ったとしても勝てるわけがない。
私が勝てるはずがなかったんだ。
教官の悪い冗談だったんだ。
私の感情に呼応するようにISが待機形態に戻ってしまう。
私は何もできない。上官が出てきている以上、私は協力はするかもしれないがエミヤシロウを助けるということはできない。
教官の課題はクリアしたい。しかし、あいつは強い。私よりも高みにいる奴をどう倒せというのだ。
諦めるしかない。
諦める?
その言葉が私の中で反芻される。
諦めたのは、教官が来る前の私ではないか。
教官が来る前までは何もできない唯の不良品。それを変えてくれたのが織斑教官だった。
訓練に次ぐ訓練。厳しかった、辛かった。でも自信に繋がった、世界を変えた、自分を変えてくれた。
努力は報われる。例えどれだけ時間がかかったとしても今までのように、そしてこれからも諦めない限りは!
邪魔なのは…
『全員招集!』
ISを通して通信。
通信先は――――
『練兵場にて中佐殿が反乱を起こされた!
私は先にこれの制圧にかかり、シュヴァルツェ・ハーゼ総員でこの反乱を阻止しろ! 隊はクラリッサが率いて到着次第制圧に掛れ!』
まずは邪魔者を排除してからだ!
中佐は隊が到着する前にはラウラによって気絶させられ、他の兵はラウラの介入に気がついたエミヤシロウによって、シュヴァルツェ・ハーゼの迅速な戦闘によって全滅。
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