3章
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だ。避けるだけで精一杯だ。
このままでは死んでしまうかもしれん。そろそろやめないか?」
やめるつもりなどさらさらない。
今日は教官が何故かいないのだ。ならばこのチャンスを逃す手は無い。この男を後でどんなことになろうとも排除してしまえばいい。
十数分。エミヤシロウは避け続けた。
しかし、傷が完全に癒えていないのか完全なる隙ができ、その隙をAICで捉えられる。
ラウラは前回のことを考慮し、AICを維持しつつも周囲を警戒する。
「む、このままでは拙いか」
ようやく自身の状況を理解したのか。
しかし、もう遅い。
「このまま叩きつければ――――」
警告音。
数瞬の後、機体が大きく揺れる。
「やれやれ…」
何が起こったか、ラウラにはわからなかった。
エミヤシロウは何もしていないのは分かっている。以前のように何かが飛来してきたのではなく… 撃たれた。
誰に。そうだ、誰に撃たれたのかが重要だ。
ここでようやく視界が広くなったかのようにラウラには周囲が見えた。
周囲には武装した兵が複数いた。
「一体なぜ…」
『これはやむを得ないのだ、ボーデヴィッヒ大尉。
その男はこの基地に侵入し、なんらかの情報を得たに違いない。それを釈放などと… あの日本人は何を言っているのか』
エミヤシロウに銃を向けていた男がそこにはいた。確か階級は…中佐か。
その表情が私は嫌いだ。私達の隊を見下したような視線も、教官を侮辱したことも。その感情はエミヤシロウよりも上かもしれない。
それに、こいつは私もろとも攻撃した。
『あぁ、すまんな大尉。当たってしまったよ』
『何が当たっただ! 邪魔をするな!』
『邪魔などではない。君に協力してやろうというだけだ。その男が邪魔なんだろう? だったら私に協力… いや共闘したまえ。それで解決だ』
男は頼んでもいないのにべらべらと語りだした。
もしもエミヤシロウが何かの情報を掴んでいた場合は上官の責任になりかねないこと、面倒なことになるぐらいだったら情報を聞き出すこともなく殺してしまえばいい。どうせ国籍もない存在のない人間だからと。
『さぁ大尉。その男を握りつぶしてくれ。それで終わる』
…それは一本取ったということになるのだろうか。
この状況で私はそんなことを考えていた。
教官の命を破り、ISを使用し、銃どころからレールカノンすら使った。なのに倒せない。悠々と避けられ、恐らくは前と同様にAICも抜けれるだろうに。
「ラウラ・ボーデヴィッヒ」
命を握られながらエミヤシロウは
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