3章
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クラリッサは何を言ったんだ?
「それは隊長自身の為ではないのですか?
確かにエミヤシロウは脅威でしょう。男だろうと何だろうと我が隊を全滅させ、ISすらも打倒した彼の力はまぎれもなく本物。確かに不審な点はいたる所にありますが、ですが、隊長のように穢されるという意見には賛同しかねます。
何を持って穢しているのか、それは私にはわかりかねます。
加え、極東の地に帰国してしまうのは我が国にとって痛手でしょう。残っていただきたい気持ちはわかりますが、それは教官の気持ち一つ次第です。残した家族がいると聞きます。それを蔑にしてまで教官はこの地に残るでしょうか」
何を言っている?
エミヤシロウは教官に害悪だ。それがどうしてわからない。
教官に相応しいのはこの地だ。ドイツだ。我が軍だ。家族? 教官の栄光を怪我した憎い男のことか。あのような男などどうでもいいはずだ。
「命令ですか。それならば私共はそれに従います」
そうだ、命令だ。それで私は――――何を得る?
教官? 強さ? 何を得るのだろうか。
何を迷う必要がある。ここで命令だと言ってしまえばこの課題は解決できるはずだ。
何故、それが言えない。
「命令でないのでしたら、私は辞退させて頂きます。
エミヤシロウには恨みなどはありません。私の未熟から倒されたのですから」
失礼します、とクラリッサは敬礼して去った。
他の隊員も同様に。
そうか―――――やはり頼れるのは自分自身の力だけか。
「千冬はISを使うなと言っていたはずだが?」
ラウラは何も答えない。
その眼はただ、エミヤシロウを排除するという意思だけを灯した黒く―――冷たい氷のようだった。
「わざわざ練兵場にまで来たのは正解だったか。重火器を中で発砲されてはかなわん」
危機的状況にもかかわらずエミヤシロウは挑発するような笑みを絶やさない。
だが、ラウラにはそれに反応するだけの余裕も感情もなかった。
レールカノンがエミヤシロウを倒さんと撃たれる。
しかし、それを悠々と避けて見せた。
「中々怖いものだな。しかし、まだまだ甘い」
ワイヤーブレードも使って追い詰めようするが、簡単に避けられていく。レールカノンも使いどころを得ない。
AICは前回のことがある。注意して使おうにもあの時のように反撃されてはどうしても後手に回る。
しかし、どれだけ攻撃されてもエミヤシロウは反撃をしない。
余裕さえ見えるが、それでも反撃をしない。
「何故攻めない」
「攻める余裕があるとでも? ISに生身で立ち向かうなど狂気の沙汰
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