2章
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の身体が錆びてしまう。
「…私は一応、侵入者なんだが」
「侵入して何か利があったわけでもないだろう。
それに、貴様は国籍不明。どこに行くこともできず、どうすることもできないここのお荷物だ。どうせなら私が有効に利用してやろうというわけだ。
貴様もそろそろ身体を動かしたくて仕方ないだろう」
部屋の中で筋トレのように身体を動かしているのは知っている。
「…私が君を人質に逃げるという可能性は考慮しないのかね」
「そんなことができるなら貴様はすでにここにいないだろうさ」
過大評価出なければこいつは私と同等の実力はある。もしくはそれ以上。
ISを生身で倒せる何かを持っている何かを持っていることは確かだ。それがどんなものにしろ、こいつほど今の私に必要なものはない。
「わかった。引き受けよう」
「よし。ならばついてこい。監視はつくが問題は無いだろう」
「…」
「…」
お互いに袴姿。
動きは無く、お互いを見定めるように自然体。
こいつ… 本当に何者だ。
対峙して改めてわかる威圧感、存在感は普通ではない。
隙がない。迂闊に踏み出せない。私を見定めるその眼がこちらの命を掴んでいるようなそんな錯覚。
しかし、隙がないなら作り出すまでだ。
踏み出し、組にかかる。
その手を奴は払い、こちらはすぐに次の手に移る。
当て身、組、合気。
それらを奴は防ぎきる。なるほど、優れた防御だ。だが、ずっとそれでは…
隙ができる。
が、私はそこに手を出さない。
すぐに手を出してはいけないと、勘に似た何かが警告を発する。
奴の一瞬の驚き、しかし、一瞬だ。叩き伏せるほどのものではない。
五分もすると、息が上がり始めたのは私の方だった。
思った以上にこいつの威圧が精神的に来たということだろうか。まだ余力はあるが、奴はまだまだだろう。
だが、それに油断するがいい。その時が私の勝利に繋がるのだから。
そしてその時が来た。
大きくつきだされた左手。重心が前に出すぎだ。
これに合わせて投げる――――はずだった。
投げの体制に入った身体が固まる。いや、止まる。
この動揺に奴は左手を回し、私の手を掴み投げる。投げられ、体制を崩した時にはすでに関節は極められていた。
「…私の負けか」
「いや、素晴らしい動きだった。油断をすれば負けていたのは私だろう」
大きく息を吐く。
私が思って以上に奴も消耗していたようだった。汗は流れていないが、身体に熱は生まれた。
「まだ続けるか?」
「いや… 私の方が限界だ。傷が痛む」
そんな感じを一切出さずに、壁際にもた
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