1章
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が聞こえた。ラウラか、今日はすでに訓練は終わったのだが、また個別に訓練か。
「何だ」
「奴が目を覚ましました」
『ここがどこだかわかるか』
私が到着した時には軍の上層部だろう男がベッドに横たわる無抵抗な男に銃を向けていた。
『…言葉からしてドイツか。
それにしても時代は変わったな。今のドイツではあいさつで銃を向けるのが主流か? それともあんたの個人的な趣味か? だったら好まないものが多くいることだろうかやめることをお勧めししよう』
ふん、状況だけは理解しているようだ。
茹でたタコのように赤くハゲ頭輝くお偉いさんは引き金に指をかけた。
『そのぐらいでいいでしょう。もしかしたらスパイかもしれないというのになにも情報を聞き出さないまま殺すのは何も得る物がない』
『…そうだな。命拾いしたな黄色人種が』
む? ということはこの男は東洋人か。
だが、それよりも。
『聞き捨てなりませんね。それは私が彼と同じ東洋系の生まれと知っての発言でしょうか』
『…ふん』
それ以上何も言うことなく、ハゲは治療室を出て行った。
「最近の中年はすぐに堪忍袋の緒が切れるのかね?」
「さぁな。…日本人か、貴様」
「そうだ」
「名は」
「人に名を訪ねる時は自分からと習わなかったか?」
後ろで銃に手をかける音がしたが、手を上げて静止させる。
「織斑千冬だ」
私が名をすぐに名乗ったのが意外だったのか、小さく男は笑った。
「私はエミヤシロウという」
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