1章
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が動いた
生身。ISを身にまとっていない。
「ラウラ」
「善処します」
殺さないようにはする、か。
はたして、そうできるかどうか…
暗がりから出てきた… 恐らく男。かなりやる。無駄がない動き、射線の見切り、かなりの腕前だろう。
だが、さすがにIS相手では無理がある。ゴム弾の銃撃にさらされ、徐々にこちらの間合いに入ってきている。
「―――っ!?」
突如として動きが止まる。
AIC、慣性停止結界。これに捕まれば終わりだろう。
私ならば… いや、もしもの話は必要ないか。初見で見切れる奴がいたら素直にほめてやろう。
「――――」
背筋が冷える。
なんだ、奴は何を言った? 何だこの空気は…
「離れろっ!」
咄嗟にラウラに叫ぶ。
だが、あいつはこの空気を分かっていない。確実に何かをもらう。
そう思考すると同時に飛来音がする。
「くっ!」
数と勢いを持って放たれた何かはシールドエネルギーを削り、不意の反撃に集中力を乱してAICを解いてしまう。
「隊長! 各員撃てぇ!」
シュヴァルツェ・ハーゼの隊員が男に向かって発砲。
こちらは実弾だ。ここまで敵意を向けられ、攻撃されては捕縛という手段は取らないだろう。運が悪かったと思って諦めてもらうしかない。成仏しろよ。
発砲音と共に誰とも知らぬ男に冥福を祈った。
しかし。
金属音が立て続けに響く。
火花で見えた光景に、唖然とする。
男は持っていた剣で銃弾を弾いて見せた。それも多角度からの銃弾をだ。
ISを持つ二人には二人にはその光景が見えたらしく、驚愕を隠せない。
その隙を、見逃しはしなかった。
「くあっ!?」
「かっ…!?」
苦悶。声に遅れること数瞬、ISはその起動を終了した。
絶対防御。操縦者の命を守るために発動するそれが発動したのだろう。だが、それが一瞬か。私の眼にとてつもない速さで何かが飛んだ気がしたが…
シュヴァルツェ・ハーゼの隊員が全滅するまで、さほど時間はかからなかった。
男はIS二人を倒し、追われることよりもここにとどまりこちらを動けなくするという判断をしたようだ。
ラウラは辛うじて立ち上がったが左肩を抑え、クラリッサは動かない。触診した限りでは命に別条はなさそうだ。確実に骨は折れているだろうが。
「さて、まだやるか?」
「…」
この空間で私以外に傷を負っていない者はいない。男も然りだ。
「さすがにここまでやられて逃がすわけにはいかんのでな」
念のためと持って来ていた刀に手
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