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少年少女の戦極時代
第56話 脱出B vs黒影トルーパー
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される鎧武。
 耳の奥にリフレインする、公園で逃げ惑った人々の悲鳴と泣き声。

『それでも俺は――』

 思い描くのは、たったさっきの咲の慟哭。
 咲は、自分のことで泣いていた。あの強気な咲が、仲間のためにしか泣かないあの子が泣くほどに苦しいものなのだ。

『あの子みたいに純粋な子を泣かせて平気でいられる、そんな奴を正義とは認めねえ!』

 気炎を吐いても実力差は覆らない。銀のアーマードライダーのソニックアローが鎧武を容赦なく抉った。

 倒れた鎧武に、銀のアーマードライダーは笑い声を上げながら迫ってくる。終わりか、いや、まだ負けられない――そう思った瞬間だった。

 クラックを超えて飛び込んできたローズアタッカーが、銀のアーマードライダーを退けた。
 ローズアタッカーに乗っていたのは、バロンと月花だった。
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