第56話 脱出B vs黒影トルーパー
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「すんなり通れるはずもないか――」
黒影トルーパーが向かってくる。咲は壁を背にして避けた。
変身したならともかく、生身の咲がアーマードライダーの兵士に勝てる道理はない。せめて応戦する3人の邪魔にならないようにしているしかない。
「僕は別ルートを探します!」
「気を付けろよ!」
だがそんな咲に黒影トルーパーの一人が槍を向けて来た。避けようと屈んだ咲の頭上で、紘汰が壁走りをかまして黒影トルーパーを吹き飛ばした。
紘汰が咲の手を取って立たせる。
「戒斗行くぞ!」
「ただ逃げるってのは性に合わない! お前らは先に行け!」
戒斗は戦極ドライバーとバナナロックシードを取り出していた。
「無茶はするなよ! ――咲ちゃんっ」
紘汰が走り出そうとする。咲は、バロンに変身した戒斗を顧みて――紘汰の手を振り解いた。
「咲ちゃん!?」
「行って!!」
咲は返事を聞かず戦極ドライバーとドラゴンフルーツの錠前を装着し、月花に変身した。
DFバトンを繋ぎ合わせてロッドにする。大橙丸と無双セイバーを繋いで武器にした鎧武を見て思いついた、DFバトンの応用法だ。
『やああ!』
月花はDFロッドを振り、バロンと戦っていた黒影トルーパーの一人を殴りつけて沈黙させた。
『お前…!』
『足手まといにはならないから!』
背後から襲ってきた黒影トルーパーの腹に全力でロッドの一突きを入れ、撃沈させる。それを見届けたバロンが、前に向き直った。
『――付いて来い!』
『はい!』
バロンと月花は背中合わせになり、それぞれ向かって来る敵をバナスピアで、DFロッドで撃退した。
10分も経つ頃には、その場の黒影トルーパーは全員が床に倒れる結果となった。
勝利を喜んでいる暇はない。バロンと月花は変身を解除せず、紘汰に追いつくべく走り出した。
…………
……
…
独りになってしまいながらも、紘汰は何とか、光実が言っていた地下のクラックに辿り着けた。
戒斗も咲も光実もいないが、彼らは彼らできっと脱出できたと、今は信じるしかない。
だがそう易々と逃げられるわけもなかった。
クラックのあるラボで紘汰はシドに鉢合わせ、二人はアーマードライダーに変身して戦うこととなった。
銀とオレンジ、二人のアーマードライダーがヘルヘイムに転がり出た。
『この街を守るだと? 笑わせんじゃねえ!』
銀のアーマードライダーは段違いの力で鎧武に斬りつけ、蹴り飛ばす。
『初瀬を仕留め損なった奴がどの口でほざくかねえ。おめえが奴を逃がしたせいで、よけいな犠牲が出たんだぜ? 忘れたのか』
頭を持ち上げられ、地面に投げ飛ば
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