第53話 一人はみんなのために
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
どうでもいいってことじゃん」
「ことじゃん」
またインヴィットの女子二人がイヤな穿ち方をしてきたが、これにもヘキサが平然と答える。
「場所取りの勝負なら、あれ以来よく、いどまれましたよ?」
「こいつらに勝って有名になってからしばらくは、うるさかったわね。ダンスのウデでバトってたの」
こいつら、とナッツはザックとペコを親指で差した。
「ダンス?」
「うん。その場でダンスして、拍手多かったほうの勝ちって。なー」
「「ねー」」
カルチャーショック。まさに舞を襲った感覚はそれだった。舞だけでなく、ザックやペコ、他2チームのメンバーもまじまじと子供たちに注目した。
ビートライダーズはそもそもストリートダンサーが徒党を組んだものだ。ここ数ヶ月でインベスゲームにライダーバトルと新しい様式が次々出てきたから忘れていたが、舞たちは本来ダンサーだ。ダンスで戦うのはしごく真っ当だ。
(あたしたち、今まで何やってたんだろ……)
インベスゲームで勝つこと、アーマードライダーとなった紘汰と光実に勝ってもらうこと、いつしかそれらが舞の中で当たり前になっていたことに、舞はようやく気づいた。
「ねえ、チームバロンさん」
ヘキサがザックとペコの前に回り込んで彼らを見上げた。
「ずっと上を目指すバロンの人たちのシセイ、とてもステキだって思います。でも、だれも観に来ない『一番』は本当に『一番』なんでしょうか?」
言うだけ言って、ヘキサは輪の中心に戻ってきた。
「じゃあ何だよっ。お前らリーダー無視してチームの方針決めんのかよ!」
「それがわたしたちのチームのため、わたしたちビートライダーズみんなのためになることなら、リーダーは帰ってきても絶対反対しません。わたしたちが咲を信じるように、咲もわたしたちを信じてくれてますから。信じてもらえたわたしたちは、よいよいと思える判断をみんなで下しただけです」
誰もが呆気にとられる中、ヘキサを中心に、リトルスターマインの全員が力強く笑んだ。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ