第七十四話 実った愛その十二
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「怖いのよね」
「それはあるな」
「でしょ?ビールは美味しいけれど」
「しかし女の子は」
広瀬は言う、痛風は女の子はなりにくいのではないかというのだ。
「男ばかりがなるな」
「けれど女の子もなるのよ」
「そうなのか」
「飲み過ぎるとね」
そうなってしまうというのだ、だがそう言いながらも飲み続けている由乃だった。一リットルを空けてそれからもう一本飲みはじめる。
広瀬もそうしている、由乃はその彼に言うのだ。
「なるわよ」
「女の子もか」
「そう、それにね」
「今度はどうした」
「ビールだから」
今度もビール故になってしまうことの話だった、その話はというと。
「飲むと身体が冷えるでしょ」
「そういうことか」
「おトイレにね」
それに行きたくなるというのだ。
「それも厄介なのよね」
「いいことばかりじゃないな」
「悪いことも多くて」
「だからどちらかというとな」
広瀬は飲みながら話す。
「ワインの方がいいか」
「そっちなのね、広瀬君は」
「それか焼酎だ」
もう一つ出す。
「どちらかだな、よく飲むのは」
「ビールよりもなのね」
「そういった酒の方が身体にいいと思ってな」
「よく言われるわね、ビールって美味しいけれどね」
「痛風がな。肥満もあるな」
「そうそう、ビール腹っていうから」
実際のビール一杯、大体三五〇ミリリットルでだと思われるがそれで御飯一杯分のカロリーである。あまり多いとは言えないだろうか。
だがビールはアルコール度が低くかなり飲んでしまう、それでなのだ。
「太るしね」
「俺はビールよりもな」
「ワインや焼酎なのね」
「嫌いじゃない」
このことも言う。
「実はな」
「実際今も飲んでるしね」
「そうだ」
広瀬はもう二本目を空けている、それで三本目も飲んでいる。勿論肉も野菜もかなり食べている。その中でだ。
彼はビールも飲んでいるのだ、三本目もである。
「こうしてな」
「三本目もなのね」
「少なくとも四本目までいける」
言いながら三本目もどんどん飲んでいる、ビールといえどかなり飲んでいる。
由乃も飲む、二人は楽しく談笑しながらそのうえで話をしていた、そして。
二人の両親も話していた、そして。
広瀬の父は由乃の父の言葉に笑顔でこう言った。
「それではですね」
「はい、息子さんはうちの家に入るということで」
「こき使ってやって下さい」
こう笑顔で言うのだった。
「どんどん」
「ははは、そうさせてもらっていいですか」
「身体は丈夫なので」
自分の息子が剣士として戦ってきたことは知らない、だがそれでも乗馬部でいつも身体を鍛えていることは知っているので言うのだ。
「ですから」
「はい、それでは」
由乃の父
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