TURN122 砂嵐の中でその二
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「突撃はな」
「では長官からのご命令からですね」
「動くのですね」
「そうだよ、迂闊に動くなよ」
そこは絶対にだというのだ。
「わかったな」
「田中さんも変わられましたね」
モニターに〆羅が出て来た、そのうえで田中にこう言ってきたのだ。
「戦争がはじまった頃はとかく猪突だったというのに」
「そうそう、司令の言うことにいちいち逆らって」
「取って代わるだったのにね」
コーギーとアストロ猫もモニターに出て来た。
「それが今じゃこうだから」
「本当に変わったね」
「勝つ為にはな」
田中は〆羅達にこう返した。
「だからだよ」
「そうそう、そこが変わったよ」
今度はアストロパンダが言ってきた。
「前はチームプレイとか発想の時点でなかったからね」
「はい、そこが本当に変わられて」
また〆羅が言う。
「成長されましたね」
「伊達に連合艦隊副司令官じゃないね」
手長猿も感心している。
「いや、見事だよ」
「褒めたって魚の差し入れ位しか出ねえぞ」
田中の実家からのだ。
「ったくよ、前の俺はそんなに酷かったのかよ」
「酷くはなかったです」
そう言われるとだ、〆羅もそれは否定する。
「ですが」
「それでもかよ」
「はい、とかく独断専行が目立ってましたので」
そこが問題だったというのだ。
「そこで成長されたことが」
「よかったってんだな」
「本当にいい司令官になられました」
ここでは微笑んで言う〆羅だった。
「ではまずはですね」
「そうだよ、指示待ちだよ」
長官である東郷のだというのだ。
「わかったわ」
「わかりました」
田中の下で潜水艦艦隊の司令官になっている〆羅が応えた、そしてだった。
田中だけでなく全軍が東郷の指示を待った、東郷は前に控えているエイリス軍の陣を見た、彼等は砂嵐の中に布陣している。
その彼等を見てだ、東郷はこう言った。
「それではだ」
「はい、どうされますか」
「ここは艦載機を出してもな」
「嵐に流されますね」
その砂嵐にだというのだ、日本妹がモニターから東郷に言ってきた。
「艦載機の質量ですと」
「そうだ、だからここはだ」
「艦載機は出さないですね」
「いや、出す」
東郷の今の言葉は意外なものだった。
「今回もな」
「出されるのですか?」
「そうだ、驚いたか」
「ですからこの砂嵐では」
「艦載機が風に吹かれてだな」
「嵐に巻き込まれ流されて」
満足に動けない、その結果。
「衝突したり等して攻撃なぞ出来ません」
「普通にやればな」
「普通に?」
「ああ、普通に出撃させればな」
そうなってしまうとだ、東郷は言うのだ。
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