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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-12
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その様子は、控室にいる蓮の近くにあるテレビに映し出されている。先ほどから同じことの繰り返しでつまらないことだけしか行っていないのだが、今の蓮にはそんなつまらないものを見ている暇がなかった。額から血が止まらなくなって流れ続けてはいるが、見た目よりも傷は浅いようで血管を傷つけてしまっただけだろうと決め、放置している。
そのせいで蓮の顔を伝って血液が無機質な白い床に落ちて斑点を作り上げていく。しかしそれに気づかないほどに蓮は考え事に耽っていた。


先ほど頭の中に響き渡った二人の少女の声。その声の持ち主は、亡国企業に所属する幹部メンバーのうちの二人をほぼ瓜二つといってもよかった。それこそ一卵性双生児といわれてもおかしくないほどに瓜二つなのだ。だが、性格までは同じではないようだった。近くもあるが、どこまでといわれれば、さほど似てないのだ。先ほど出てきた二人の少女をその二人に当てはめてみてもいい。


ふと、暗い控室の光源になっているテレビに目を向けた。テレビには、どこか焦ったような一夏が鈴音の前に陣取って背部推進器(ブースター)を全開にしていた。さらにその後ろには、鈴音が第三世代兵器の一つである衝撃砲を全開にして溜めていた。そして、躊躇いもなく一夏に向かって放つ。流石に蓮もこれには驚いたが、一夏が衝撃砲のエネルギーを自分が纏うISのエネルギーが足りない部分に補うために吸収し、そのエネルギーで爆発的に放出して瞬時加速を行い、無人機との間を一瞬で詰めた。むちゃくちゃなことをする奴だったが、人工知能(AI)によって操作されているあの無人機には、行動がパターン化されて入力されていることが多いため、効果的であることも確かだった。


再び視線を床に戻すと、赤い斑点が出来ていることに気付いた蓮。それに触れてみると、まだ乾いていない自分の血であることを知る。それで額を触ってみると手のひらを覆って赤い液体が付く。それを脱ぎ言取ろうと拭くものを探すためにあたりを見渡してみるが、拭けるようなものは見つからなかった。仕方がなしに、自分で持ってきていたタオルで額を傷口を刺激しないように拭い、床を血痕が残らないように拭く。傷口に関しては、もう治り始めていてISの操縦者自己修復機能が働いていることを実感する。


今度は、念のために血が流れないように天井を見上げる。部屋を照らすための蛍光灯が寂しげに佇んでいるような感じがした。だが蓮は、天井のどこを見る訳でもなく、忙しなく視線を彷徨わせいる。それは、まだ何かを決めかねている目、迷っている目だった。


目のやり場がなかった天井を見上げるのを止め、またテレビに視線を向けた。
一夏が零落白夜で無人機を切り裂くもそれでは止まらなかった。一夏は背を向けたままで動こうとせずに、鈴音から呼びかけられる。無人機が粒子砲(ビ
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