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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-12
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とがそんなに好きでないことにもびっくりしたな。――――利用できたから利用しただけ、か……。
束は織斑姉弟はいらないとでも言いたいのか。まあ、いい。
俺は今回は静だ。束がアリーナにISを送り込むが、俺は何度も言うように動かない。その程度、どうにかしてみろ」
蓮は、要所要所を省きながら誰かと話すように一人で話していたが、当然答える人などいる訳もなく、言葉は暗闇に吸い込まれていった。蓮は、テレビから目を話すことはない。だが、丁度一夏が零落白夜を発動させたところで激しい頭痛が蓮を襲う。
頭痛だけでなく、何か声が聞こえてくる。幻聴かと思ったが、どうやら本当に幻聴のようで頭の中に直接響いて聞こえる。
(――――燐夜君っ!!)
(――――燐夜っ!!)
声からして二人の少女のようだ。頭痛のせいなのか反響して聞こえる。誰だろうか。駄目だ、痛みのあまりそこまで考える余裕がない。耐え切れずに床に這いつくばってしまう。
――――まただ。また、さっき聞こえた声が聞こえる。
また誰かが誰かを呼ぶ声が頭の中に反響して聞こえる。今度は頭の中に鮮明なイメージが作り出されていく。
声と同じように二人の少女がこちらを見て誰かの名前を呼んでいる。それもかなり焦ったようだった。年は、蓮と同じくらいだろうか。少なくとも高校生とかそのぐらい。
一人は、白い何かの制服のようなものを着て長い栗色の髪をサイドでポニーに纏めており、
誰か
(
・・
)
を君付けで呼ぶ少女。
もう一人は、黒い制服のようなものの上に白いマントを羽織る形で身につけて、同じように長い金髪の髪を先端の方で黒いリボンで結わえた少女。こちらは、呼び捨てで
誰か
(
・・
)
を呼んでいる。
「俺は…っ。俺は燐夜じゃねえっ!!! 蓮だっ!! 御袰衣蓮だぁっ!!!」
声を上げて額を思い切り床に叩きつけた。その衝撃で頭痛を打ち消したが、額を切ったようで血が止まらず、流れて白い床に赤い点をつける。
息を荒げ、頭痛が引いたことを確認すると再び椅子に深く腰掛ける。誰かが呼んでいたあの幻聴、幻覚は、治まり、今は何も聞こえないし見えなかった。切れた額を抑えようともせず、テレビに向けると控室が低い音を立てて揺れた。何かが落ちてきたかのような衝撃だったことから、蓮は始まったことを悟った。
「はあっ……はあっ……はあっ……――――ふうっ、つっ。……燐夜って一体誰なんだ…………?」
蓮の疑問に答えてくれる人は、誰もいない。
◯
アリーナでは、一夏と鈴音の二人で強襲してきた正体不明のISを相手取っていた。教師陣がアリーナ内に入ってこれないのは、あのISを通して束が学園にハッキングを仕掛けてセキュリティレベルを4にまで上げているからだ。
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