第2章 赤龍帝と不死鳥の騎士団
第17話 激おこ
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「――鉄槌の騎士もそのへんにしておきましょうか。マスターも充分に反省されているようですし」
泣きながら――嘘泣きかと思ったら本当に泣いていたらしい――顔をくしゃくしゃにして、はやては謝り続ける。
誰よりも心配していたヴィータは、はやての無謀な行いに人一倍怒っていた。
激おこぷんぷん丸を通り越して、カム着火インフェルノォォォオオオウ状態。
いや、激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームかもしれない。
しかし、本格的に泣き始めた彼女を見て、バツが悪そうに引き下がる。
「――ったく。心配掛けさせやがって。もう怒ってないから泣きやめって。ああ、そうだ。あれだ。新作アイスで手打ちにしよう。な?」
「ううぅ。ぐすっ。わかっ、たよ。ヴィータ姉ぇ――――ふう。手作りで飛び切りのヤツをつくるから、楽しみに待っていてくれ!」
「泣いたカラスがもう笑いやがったよ、現金なヤツめ」
悪態をつきながらも、元気を取り戻したはやてを見て、ヴィータも嬉しそうにしている。
他の面々も、それぞれ険しかった雰囲気を和らげ、苦笑している。
ようやく、いつもの和やかな空気が戻って来た。
「みんなも心配掛けてごめん。ボクも、迂闊な真似をしたと反省している」
はやても、いつもの凛々しさを取り戻していく。
彼女が、弱音や子供らしさを曝すのは、家族の前だけだ。
家族たちにとって、はやては、初めて会ったとき――9歳になったばかりの少女が両親にすがり嗚咽していたとき――から、変わらない。
彼女は、仕えるべき主であり、成長を見守って来た娘であり、愛すべき家族であった。
もっとも、身体も全く成長していないわけだが。
一度、深呼吸すると、はやては、ゆっくりと切り出した。
真剣な目つきで、はっきりと謝罪と反省の言葉を述べていき、家族会議は一旦終了した。
本当は、これからの計画も話し合う予定だったのだが――
『話しすぎて、腹減ったな。そろそろ夕飯にしないか。はやて。ギガウマなヤツを期待しているぜ?』
――というヴィータの発言でお開きになった。
先ほどまで憔悴していた様子のはやても、元気よく返事をして台所に向かった。
「汚名を返上するチャンスだな。胃袋を掴んだ者こそが、最後に勝つのだよ」と、ぶつぶつと呟きながら、はりきって料理をしている。
あのまま話し合いを続けては辛いだろう、というヴィータなりの気遣いなのだと思われる。
残りの家族も察して、口々に「和食でたのむ」「あら、わたしは洋食のほうがいいわ」「肉をいれてほしい」「いや、野菜もいいな」などなど。
好き勝手に言って、はやてをからかいながらも、励ましていた。
普段の大人びた彼女な
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