暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
After days
挿話集
妖精達の凡な日常@
[1/5]

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Side:Hannya

「ふぁ……」

東京郊外のとある安アパート。彼の収入を以てすればそれなりのマンションを借りる事など造作も無いが、あえてそれはしていなかった。
今日は休日。特に用事も無ければ片付けるべき仕事もない。

「なら、遊ぶに限るな」

部屋の空気を入れ換えている間に栄養食品で朝食を取り、衣類を洗濯し、メールをチェックする。

それらを1時間程で準備し終えた彼はついさっきまで寝ていたベットに再び寝転がった。脇のスタンドに置いてあるフルダイブマシン(アミュスフィア)を装着し、息を吐くついでに言葉を発した。

「リンク・スタート」






妖精郷アルヴヘイムの中央都市《アルン》の自宅で目覚めたハンニャは起き上がるとテラスから街へ飛び出した。
特に目的があるわけでもないし、こっちで欲しい物があるわけでもない。ただぶらぶらとこの世界を飛び回るつもりでいた。が、

「およ……?」

眼下に見慣れた青年を発見したため、声を掛けるため降下しようとすると、その隣を女性プレイヤーが歩いているのを発見した。

(ほうほう。デートですか。邪魔しちゃ悪いね……)




しかし、ただぶらぶらしているよりコッチを尾行した方が面白そうではある。


「…………だいぶ俺も染まって来ちまったな」

誰色に、とはあえて言わない。
ハンニャは微妙に高度を下げつつ眼下の大通りを行くセインとシウネーをつけ始めた。













Side:Arce


―アインクラッド11層タフト付近

「フンッ!」
「ぐぉ!?」


天高く舞う大柄なスプリガンのプレイヤー。カチ上げているのはやや長身のウンディーネ女性プレイヤー。
両手にノックバック強化の魔法をまとわせながら何事も無かったかのように歩き出す。
彼女の周りにはさっきのPK(スプリガン)の仲間がごまんと居たが、彼女の進行方向に立ち塞がる者は慌ててその場を飛び退いた。その様子は紅海を割るモーゼの如く。


(……実際、魔法で海とか割れるのだろうか?)


今度ヴィレッタにやってもらおうなどとかなりどうでもいいことを考えながらアルセは街へと帰還した。


「ふぅ……」

アインクラッドの無数の都市はモンスターこそ入ってこないが、全て中立都市なので当然さっきのPKが追いかけてきて襲われる事もある。
が、あの程度の有象無象が群れた所でアルセに手傷を負わせる事など出来はしない。

NPCから受けていたクエスト数件の完了報告を終え、報酬アイテムの中から頼まれていたブツを所属するギルド《オラトリオ・オーケストラ》の納品タブに移す。

このギルドにかつての師にして相棒、ハ
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