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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
After days
挿話集
妖精達の凡な日常@
[2/5]

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ンニャ、良き友人セイン、ヴィレッタと共に加入したのは昨年の暮れ、そこのリーダーと知り合ってから約1年経っての事だった。

攻略ギルド《オラトリオ・オーケストラ》。かのSAO時代から存在したというギルド。デスゲーム時に最強ギルド候補の一角を占め、現在もアインクラッド二大ギルドと並んで最前線にあるアクティブギルドだ。
構成員の6割が元SAOプレイヤー、内8割はSAO時代からのメンバーだが、主力の大半は純ALOプレイヤーが担うという不思議ギルドだ。



リーダーと旧知の仲である某インプはその理由をこう語った。


様々な軋轢を生みやすいVRMMOに必要なのは『誇示しない抑止力』。誇るでもなく、(かざ)すのでもなく、ただ在るだけでその場を平する事が出来るのが真の抑止力だ、と。

生え抜きの実力者である幹部陣が加入した純ALOプレイヤーを鍛え上げ強力な戦力とし、ゲーム内での精神的地位を上げる。その威光を以て溢れがちな元SAOプレイヤーをゲームに順応するまで庇護する。
とどのつまりALOプレイヤーは利用されているだけなのだが、その待遇は破格だ。

例えば上納金免除、装備は安値でメンテ、アイテムは支給……etc。

何よりこの計画が軌道に乗れば《最強ギルドの構成員》事によると《幹部》という最上のステータスが与えられるのだ。破格待遇に寄せられたプレイヤー達が利用されていると承知の上であくせく働いているのはそう言う事情がある。



―閑話休題―


アルセ達の場合、加入理由はどちらかと言うと元SAO組に近いものがあるが、彼女達には遠慮無しに返り討ち出来るだけの技量と気概がある。
ギルドの方針も『喧嘩は売るな、売られた喧嘩は買い叩け』だし特に問題はない。

「買い叩くのは好きだが、如何せん数が多いと何かと面倒なんだよな……っと?」



メールの着信を告げる音と視界端にアイコンが現れる。リーダーからの急ぎの催促かと思って開くと、差出人はハンニャだった。

「あん……?」

文章はなく、代わりに添付スクリーンショットが1枚。人物2人を上空から撮ったもののようだ。


「何なんだ……って、うお……!?」


写っていたのはウンディーネ2人、古い仲間の1人であるセインと新進気鋭の小ギルド《スリーピング・ナイツ》のメイジ、シウネーだった。

「……そういや最近、あいつら仲良いなとは思ってたが……マジか」

友人の突然のスキャンダルに嬉しいやら悔しいやら羨ましいやらでぷるぷると体を震わせていると、ハンニャから追伸が入った。今度は写真と文章もあった。

「……な!?」

それを見て愕然とする。シウネーの細い腕はセインの腕に絡み付き、両者はどこか気恥ずかしそうにだが、穏やかに微笑んでいる
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