食事会は和やかであるべきだと思います。
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合った様でほっとし、その安堵から少し饒舌になってしまった。
昆布茶、本当に便利なんだよな〜。
和食には大体合うし、何でも和風の味付けにできる。
入れすぎると大惨事だけどな……。
それと、山口先生の前で美鶴のことは『先生』と呼ぶことにした。
『美鶴先生』じゃあ、何で下の名前で呼んでるのか疑問視されるかもしれないし、『香坂先生』とは出来る限り呼びたくない。 呼びざるを得ないと時は仕方ないけど。
俺が『先生』と美鶴を呼んだ瞬間、山口先生の顔が強張った気がしたけど、確認した時には朗らかな笑顔だったから気のせいだろう。
「――しかしこれほど料理が上手とは、椎名先生は良いお嫁さんになれますね」
「ぶっ」
山口先生が突然妙な冗談を言うものだから、思わず飲んでいた麦茶を吹きかけた。
「や、やめてくださいよ! 俺は可愛いお嫁さんが欲しいんです! ただでさえ女っ気無いんですから……女性との縁がさらに遠のく気がするのでそういう冗談はNGですよっ」
「椎名先生、女子生徒にモテるじゃないですか。 ……すぐ、良い人と巡り合えますよ」
「むしろ椎名先生に彼女が居ないことが不思議ですね。 良い人の一人や二人居そうなものですが」
「女子生徒はからかってるだけでしょう……。 というか良い人の一人や二人って先生……、まぁ先生はいかにもモテそうですしね、一人や二人いても普通なのかもしれませんね……ハハハ」
恋話になるとダークサイドが顔を覗かせる俺である。
山口先生がこの場にいなかったら美鶴の首を締め上げてガクガク揺さぶってたかもしれない。
そんな俺を見た美鶴は苦笑して肩を竦めた。
「物の例えという奴ですよ。 私も恋人なんて過去一度も居たことありません」
「え!」
美鶴も年齢=彼女居ない歴……だと……。
意外すぎる。
こんなにイケメンなのに、それでも彼女が出来ないなんて……。
俺は一抹の憐憫と仲間意識を感じ、自愛に満ちた生暖かい視線を美鶴に送った。
「先生に彼女が居ないなんて……世の女性は見る目がありませんね」
「いや……恋仲になりたいと言われたことは何度かありましたが、何せ幼い頃から碁一筋だったもので。 恋愛に興味も無いし、続くと思えなかったので全てお断りしてしまった結果ですよ」
前言撤回、やはり敵だ。
○ ● ○
そんな雑談をしているうちに皿が空になり、話もひと段落ついた。
「さて――」という言葉と共に美鶴が立ち上がり山口先生を見据えた。
「そろそろ私と椎名先生は対局の方に移ろうと思うのですが――」
「そうですね、あまり長居しても迷惑になりますし」
山口先生も笑って頷き、「よいしょ」と腰を上げた。
そんな山口先生を見送るため俺も一緒に立ち上がる。
「山口先生、今日は本当に
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