第九十話 嘘と心
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「そこだ!」
『やらせるか!』
デスティニーがビームライフルを連射してドラグーンを撃ち落とそうとするが、レジェンドのドラグーンはその攻撃を躱して逆に撃ちこんでくる。だが、シンの操縦技術によってデスティニーはその攻撃を全て紙一重で躱していった。
『何故当たらないッ!』
ドラグーンが命中しないことに苛立ちを隠せないレイ。ならば接近戦で落とすと思考を切り替えてビームジャベリンを抜く。そこに焦りがあったことは否定しない。実際、レイのテロメアは少なく、残されている寿命も薬によって延命させている。そこに恐怖はないが、デュランダル議長の役に立てずに死ぬという事にレイは恐怖を抱く。その焦りからレイは敵を少しでも早く落とさなくてはならないという使命感に襲われる。
『これで――――貰ったぞ!』
ビームジャベリンとアロンダイトが交差する。狙いはその膠着した一瞬。攻撃を受け止めるにせよ、反撃するにしろ、近接戦の攻撃は総じてその攻撃直後に最も隙が大きい。レイはその瞬間を狙ってドラグーンを撃ちこんだ。そのビームの数は十六。接近したことによる自機への誤射の危険性は顧みない――――いや、顧みる余裕などない。
「こんな所で、終わって堪るかァ!」
『これすらも防ぐか!!』
そうやって近接戦で絶対の確信をもって放ったドラグーンの攻撃すら防ぎきられる。関節部の動き一つ一つを調節し、かすめる様に躱した十のビーム。そして、残りを六射をアロンダイトを手放して両腕から左右にビームシールドを展開して防いだのだ。結果、デスティニーは全くの無傷というわけではないが、直撃となったものは一切ない。
「でりゃァァァ――――!!」
そして防御だけで止まらない。態々懐に入りんできた相手を逃す理由などない。左右に構えたビームシールドを消し、肩に取り付けられているフラッシュエッジ2ビームブーメランを握る。そのまま両腕を交差させるようにビームブーメランをサーベル状態にして振り抜いた。
『この程度で!』
右からの攻撃をビームシールドで、左からの攻撃をエネルギーの充填の為に連結させているシールドドラグーンで防ぐ。どちらも高出力のビームブーメランによる攻撃に対して防ぎきって見せた。その後、デスティニーに蹴りを入れてレジェンドは再び距離を取り直そうとする。
自ら仕掛けた接近戦だが些か相性が悪すぎる。万能型のデスティニーに接近戦の技能に長けているシン。それに対して射撃機のレジェンドと空間認識能力を生かすうえで射撃戦が得意なレイとでは近接戦での有利不利など比べるまでもないだろう。
「レイの望んでいる平和な世界がレイにとって守りたい世界だっていうのはわかっている。だけど――――!」
『今更裏切り者が何を言った所で……』
苦々しい顔つきでレイはシ
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