第22話 入学式 中編
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クロネさん、アリス様とイチジョウさんを会場にご案内してください」
「わかりました。でわ、アリス様、イチジョウさんこちらにどうぞ」
「あの〜少しお聞きしてもよろしいでしょうか」
案内人のクロネさんが申し訳なさそうに聞いてきた。
「イチジョウさんはネイ理事長のご親戚なのですか?」
「どうして?」
「名前が同じですし、イチジョウさんのお名前は珍しいので」
どうする正直に答えるか。
でも正直に答えてもめんどくさそな気がするし。
「ええ、そんな感じです」
これが無難な答えだろう。
「そうですか……失礼しました。つい気になってしまったので」
「いえいえ」
その後は一言も会話なく案内された。
案内された場所は館内の最前列の真ん中だった。
両隣の席はまだ空席だ。
「あと20分ほどで始まりますのでそれまでお待ちください」
「ああ、案内ありがとう」
一礼しクロネさんは会場から出て行った。
「アリス、受付の時のあの態度はだめだよ」
「……」
下を向くアリス。
ちょっと可愛そうだがちゃんと言ってあげないと。
「あの時はアリスが聞かれているんだからアリスが答えないと」
「だって……その、はずかしいし」
「自分の名前が恥ずかしいの?」
「ちがう、知らない人と話すのが恥ずかしくて」
「恥ずかしがっていたら友達もできないよ」
「え?どうして」
「最初はみんな知らない人なんだよ。知らない人だからって話しかけられて何も言わなかったら友達なんてできるはずないだろう」
「……」
さらに落ち込むアリス。
「そんなに落ち込まない。少しづつでいいから恥ずかしがらないように頑張っていこう。俺もちゃんとフォローするから」
「うん!」
アリスの頭を撫でてあげると俺を下から見る目線で微笑んだ。
グハッ!
なんて破壊力のある目線をするんだ。
(……ロリコン)
イフリートが皮肉につぶやく
俺はロリコンじゃねぇ!
10分後両隣の席も埋まった。
右側の席の子はアリスと同じぐらいの年齢の男の子で護衛をしている騎士は年齢は20代の目つきがキツイ綺麗な女性で、左側の席は俺と同じぐらいの年齢のふくよかな女性で護衛をしている騎士は少し幼く頼りげがない感じの男の子だ。
俺は軽く会釈だけをした。
「只今より第20回学園都市入学式を始めます」
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