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ソードアート・オンライン〜紅き剣聖〜
一部 浮遊城アインクラッド編
死闘の果てに
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の聖昌石》。
「還魂って事は本当に─」
私は還魂の聖昌石を実体化させ、ポップアップメニューからヘルプを選択した。
「ぇ───────」
そこには馴染んだフォントで簡素な、そして絶望的な解説が記されていた。

【このアイテムのポップアップメニューから使用を選ぶか、あるいは手に保持して《蘇生 : プレイヤー名》と発声することで、対象プレイヤーが死亡してからその効果光が完全に消滅するまでの間(およそ十秒間)ならば、対象プレイヤーを蘇生させることができます】

およそ十秒間
この石には目の前の死を防ぐことは出来るけど、過去の死を無かったことには出来ない。
私はその場にしゃがみ込む。
「こんなの……………こんなのって………」
「サキ? どうしたの!?」
私はアスナに還魂の聖昌石について説明した。
「そんな…………じゃあ二人は」
「うん、殺し合う必要なんてない」
止めたい。
意味なく殺し合うなんて嫌だ。
今止めに入ったら巻き込まれ、死ぬかもしれない。
それでも!
「ソウスケ君!!」
二人の間に飛び込んだ。
次の瞬間、私の視界は真っ白になった。











*************







sideソウスケ





俺の目の前には華奢な少女の背中が───
「っ! バカ野郎!!」
幸い、サキは宙に浮いているから足を掴み、思い切り後ろに引っ張る。
「わぷっっ!」
結果サキは顔から雪の積もる地面に飛び込んだ。
そして、キリトの剣を受け流す。
「───!」
流石に片腕じゃあ完全に受け流すことは出来ず、俺はバランスを崩す。
だが今はサキの軽率な行動に腹が立つ。
「この────」
俺は、まだ倒れていたサキの胸ぐらを掴んで起こす。
「───大バカ野郎が!! 何考えてんだお前は!」
サキの頬に涙が伝う。
「………何って、二人が命を賭ける必要なんてないから………このアイテム、《還魂の聖昌石》には過去に死んだ人を蘇生する力はない、目の前の人しか救えないの!」
正直、何を言っているか分からなかった。
「……………は? そんなわけ、ないだろう?」
「………サキ、それ見せてくれ」
キリトはあくまで冷静だ。
だけど、キリトはアイテムを見たらサキに返し、無言で何処かに行ってしまった。
「サキ、俺にも」
解説を見た瞬間、足の力が抜けた。
「……………………」
何もできない。
救えない。
やっぱりこの世界はゲームでありながら、現実と同じ恐ろしさをもっている。
「………今は、一人に、してくれ」
何とか言葉に出来た。


それから、どれだけ時間が経ったかわからない。
朝日が見える。
涙は流れない、そこの感情は何年も前に凍らせた。


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