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鉄槌と清風
52部分:51:ホテルアグスタ襲撃
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 「とはいえ、戦場では万が一がある油断はするなよ、皆」

 「ああ」

 「えぇ、シグナムの言うとおりですマスター」

 「判ってるよ、痛いほどな…おっし、新人の出番なくす勢いでいこうぜ」

 4人に言われ苦笑しながら返し、一転気合を入れなおして宣言する。

 「だな、あそこまで通さねぇっていう勢いでいくか」

 並んで飛びながら、いつもの用に拳同士を打ち合わせる良彦とヴィータ。

 「お前たちは過保護だな、全く」

 「似た物夫婦ですからね」

 シグナム、アインが苦笑し

 「が、気持ちも判らないでも無い、な」

 ザフィーラが静かに一言付け加える…恐らく此処にいる5人がそう思っているだろう事を。

 「おっし、ならいくかっ!」

 「おうっ!」

 その掛け声と共に、それぞれが目標に対し向きを変える。
 シグナムと良彦は、V型の進行予想位置に、ヴィータ、ザフィーラ、アインはT型の密集している場所へと。

 途中でシグナムとも別れ、V型の一機へと向かう。
 目前には良彦の倍以上あるサイズのV型…相変わらず、コード状の触腕とベルトコンベアのような太い触腕が見える。

 相手センサーに捕らえられたのか、三つ目のような発振口から、光学兵器が放たれる…それをシールドで弾き、一気に距離をつめる。

 「相変わらず、サイズだけで発見から反応が遅いっ」

 空を翔け、太い触腕を『弾き』ながら、その内側へ…勢いを殺さず、指を真っ直ぐ揃え、魔力と風を纏った貫き手をV型の中心へ打ち込む…練られていた風が刃となり。

 「風拳・一刃」

 V型を貫き、身体を捻ればその勢いでV型が裂け、爆発…一瞬早く後退し、次の相手を探す。

 数回の攻防、報告を聞いている限りでは、T型もV型も数を減らしているらしい…が、次の瞬間。

 『誰かが近くで召喚を使ってます!』

 という、キャロの全体連絡、ロングアーチからも

 『反応確認、魔力反応…大きい』

 更に次の瞬間、V型の動きが変わる…先ほどまでの機械任せの単純な動きから、意志を感じる動きへと。
 同じように繰り返していた倒し方に反応され、防御から反撃を受ける…意志を感じた段階で回避行動に移っていたため、直撃は避けられた。
 一旦上に上がり、シグナム、ヴィータと合流する、比較的近くで戦っていたようだ。

 「どうおもうよ?」

 「動きがよくなったな、召喚で何か変わったか?」

 「自動だったのが、手動になった感じだな、これ」

 良彦の問いにシグナム、ヴィータが答える。

 「要するに、一寸動きがよくなったって事だろなら、それに合わせてぶっつぶしゃ」

 「まて、あれは」

 ヴィータがもう
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