第6章:女の決意・男の勘違い
第20話:手のかかる子、かからない子
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(リバーサイド)
リュカSIDE
う〜ん……やっぱり心配だなぁ。
ウルフも行かせたし、ライアンやシンも付いてる……
でもリューラを行かせるんじゃなかったかもしれない。
でも、あの娘が目で訴えてきたから……“彼氏だけを危険な目に遭わせられない、私も行く!”って、凄い目力で訴えてきたから!
マリーとリューノは我が儘を言うって解ってたから、先制して押さえつける事が出来たけど、リューラはあまり我が儘言わなかったからノーマークだったんだ。
あぁ……娘に怪我をさせて戻ってきたら、あいつ等絶対に許さねー!
一応リューラも行くと決まった瞬間、ウルフに目で言い付けておいたけど、本人が解ってなさそうだし、心配で堪らないですよ。
アローがしっかり魔族を化かせれば、問題なく事は進むんだろう。
問題を起こしそうな連中は行かせなかったのだし、シンの暴走さえ押さえつければ成功するに違いない。
あのボウズ一人押さえ付けられないようじゃ、娘を二人も託す事は出来ない……ウルフには頑張ってもらうしかないな。
「お父さ〜ん……ここに『気球』を研究してる人が居るみたい。話を聞いてくるわー!」
町の大半を占める川に係留してある船の船首に腰掛け、家族の事を考えているとマリーが岸から大きな声で話しかけてくる。
右手を振って娘の声に応え隣に座る妻に視線を向ける。
この町は名前の通り川沿いに存在させた小さな町だ。
大きな船を川に係留させ、その船首辺りに腰掛ければ、町全体を見渡す事が出来る。
大声でなら会話だって出来るくらいだ。
妻から娘に視線を移すと、娘二人とアリーナ・クリフト・ブライが一緒に建物へ入って行くのが見えた。
きっと誘ったのはマリーだろう。
マリーは情報の内容を大まかにだろうが知ってる……だからこそ、比較的良識派のブライに話を聞かせ、気球の情報に真実味を出させる魂胆だろう。
ブライを連れ出すにはアリーナを誘う事……
アリーナを誘うと漏れなくクリフトとブライが付き纏う。
男の趣味が同じな所為か、最近仲が良くなったリューノを合わせ、あのメンツが気球研究者訪問になったのだろう。
対岸を見るとトルネコが商売に精を出している。
美女姉妹二人とロザリー・ラピスを伴い道具屋とか武器屋などを訪問。
美女の色香を利用して店主から安く商品を購入してるんだ。
きっとマーニャとラピスはトルネコの魂胆に気付いてるのだろうけど、相方が全く気付いてない為、仕方なく付き合ってるのだろう。
まぁ俺に関係ない所で金儲けをするのなら、放っておいても構わない……
あんな奴に利用される方が悪いんだ。
「リュカ……溜息なんて吐いて珍しい。リューラの事が心配なの?」
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